トランプ大統領の「NATO離脱」が米露冷戦構造を終わらせる【HSU河田成治氏寄稿】(Part 3)
2024.03.10
《本記事のポイント》
- アメリカのNATOからの撤退は、和解の道を拓く
- ロシア側の侵略意図を強調するのは非現実的
- アメリカのNATOからの撤退で米露冷戦構造が終わる
河田 成治
(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治学を教えている。
米CNNは、トランプ氏のかつての側近の多くの話として、トランプ氏が11月の大統領選でバイデン大統領を破れば、「アメリカはNATOから離脱するだろう」と語っていると報道しています(*1)。
これまで述べてきた理由から、このトランプ氏の言葉は多方面からの批判に反して、今後の大局的なアメリカとロシアの対決関係、すなわち米露新冷戦の訪れと世界大戦という最悪の未来を回避するために、大いに傾聴に値するのではないでしょうか。
(*1)CNN(2024.2.13)
アメリカのNATOからの撤退は、和解の道を拓く
アメリカがNATOから手を引くこと、また関与を低下させることには重要な意味があります。
各国がロシアとの和解の道を探ろうとするようになるからです。
欧州のNATO加盟国やその予備国がロシアに対して強気な理由は、背景にあるアメリカの巨大な軍事力を当てにしているからで、いざという時にはアメリカに庇護してもらえるという前提があるからです。
昨年、フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を果たしました。これらの国は、安全保障上の冒険をしていると言っていいでしょう。
以前の記事でお伝えした通り、皮肉にもフィンランドもスウェーデンも、NATOに加盟することでより危険な状況に置かれたと思います。
ロシアはフィンランドのNATO加盟に呼応して、フィンランドとの国境地域に1個軍団、3個自動車化歩兵師団、2個空中襲撃師団(空挺部隊)を編成する方針を発表しています。
フィンランドは中立を撤回し、ロシアを敵としたことで、かえって安全保障上の脅威を高めてしまいました。
HSU未来創造学部では、仏法真理と神の正義を柱としつつ、今回の世界情勢などの生きた専門知識を授業で学び、「国際政治のあるべき姿」への視点を養っています。詳しくはこちらをご覧ください(未来創造学部ホームページ)。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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