イランが米軍基地を攻撃 石油が高騰すれば、日米の経済が減速する
2020.01.09
写真:saeediex / Shutterstock.com
《本記事のポイント》
- ハメネイ師の守護霊「イランは独裁体制ではない」と発言
- 石油価格の高騰は世界経済にマイナス
- エネルギーの供給が不安定になれば、東京五輪効果が帳消しに!?
イランは8日未明(現地時間)、米軍とイラク軍が共用するイラクの基地2カ所にロケット弾を発射した。イランとアメリカが軍事衝突する可能性が一気に高まったことで、石油価格は一時高騰し、世界経済に影響を与えている。
トランプ米大統領は、情報を精査し、8日午前に声明を発表。すぐさま反撃しなかったものの、アメリカとイランが全面衝突する可能性がくすぶっている。
発端となったのは、米軍がイランのソレイマニ司令官をドローン攻撃で殺害したことだ。イラン国営テレビによると、今回の報復作戦は「殉教者ソレイマニ」と名付けられ、イランの革命防衛隊の航空宇宙部門が実施したという。
「イランは独裁体制ではない」
それに先立つ日本時間の7日深夜、大川隆法・幸福の科学総裁のもとに、イランの最高指導者ハメネイ師の守護霊が現れた。同氏の守護霊は、米軍に反撃する決意があると述べた上で、欧米が持つ誤解を正そうとした。守護霊はこう述べる。
「 民主主義の意見に基づくなら、何らかの報復活動をしないと収まりません。民衆はデモをし、議会も全員一致で報復の考えを持っていて、国辱というふうにみんな感じております 」
ハメネイ師の守護霊は、イランは民主主義の体制を有しており、欧米などが考える単なる独裁体制ではないことを強調した。
アメリカとイランの考え方には大きな溝があることは事実だろう。
石油価格の高騰は世界経済にマイナス
今回の攻撃を受けて、原油価格の指標となる米国産の標準油種は、一時4.4%上昇した。石油価格は、中東情勢が不安定化している昨年以降、右肩上がりとなっている。
日本のガソリン価格は8日、7カ月ぶりとなる150円台に突入。LNGの価格も、ガソリン価格と連動するなどしているため、中東情勢の緊迫化は、日本のエネルギー供給事情を圧迫することは避けられない。
中東情勢の緊迫化は、同時に、これまで世界経済をけん引してきたアメリカにもマイナスに働く。
車社会であるアメリカでは、ガソリン価格が4ドルを超えると、消費が低下すると言われている。そのためトランプ氏は、イランなどに制裁を科す一方で、中東産油国には原油の増産を求めていた。
東京五輪効果が帳消しに!?
中東情勢の混乱は、世界経済に大きな影響を与える。
アメリカとイランが全面衝突となれば、湾岸戦争のように、石油価格が急騰することも考えられる。その結果として起きるのは、「世界同時不況」だろう。
日本政府は今年、東京オリンピックの開催で景気を底上げしたい考えだ。しかし、中東情勢の混乱によっては、昨年の消費増税によってただでさえ減速している経済が、一気に冷え込む可能性もある。
日本としては、中東情勢とエネルギー供給の安定化は重要な国益だ。アメリカとイランの戦争回避に全力を注ぎつつも、脱原発などに向かうエネルギー政策の見直しも考える必要があるだろう。
(山本慧)
【関連書籍】
『イランの反論 ロウハニ大統領・ハメネイ師 守護霊、ホメイニ師の霊言』
大川隆法著 幸福の科学出版
【関連記事】
2020年1月7日付本欄 イラン司令官暗殺にどう反撃するか 「イランの行動は、歴史と文化への誇り」とハメネイ師守護霊
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講師
台湾国防大学校務諮詢委員 邱 伯浩
(チョウ・ボハオ)1967年生まれ。台湾出身。陸軍軍官学校、国防大学陸軍参謀学院、国防大学政治研究所などを卒業。政治学博士。現在は国防大学校務諮詢委員や日本安全保障戦略研究所研究員を務める。
日時
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場所
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