【台湾・緊急レポート】親中派の国民党が「慰安婦像」で選挙活動 日台の絆を裂くのは中国の思うつぼ
2018.09.17
9月14日、台北市内で、トラックの荷台に乗せられて運ばれる慰安婦像のレプリカ。
《本記事のポイント》
- 台湾で国民党が「慰安婦像」を使って選挙活動を行っている
- そもそも、「日本軍による慰安婦の強制連行」は戦後につくられた嘘
- 日台の良好な絆を裂く政治工作は中国の思うつぼ
取材に訪れていた台湾の台北市で14日、トラックで運ばれている慰安婦像を、偶然、編集部がカメラに収めた(上写真)
これは、親中派の野党・国民党が台南市に設置した慰安婦像のレプリカで、同党は現在、11月に行われる統一地方選での勝利を目指して、台北市で像を"連れ回し"ながら、選挙活動を行うという異常な行動をとっている。
なぜ、親日的な台湾で慰安婦像が設置され、台湾中を駆け回っているのか。まず、これまでの経緯を振り返ってみたい。
台湾では、今年11月に行われる統一地方選に向けた選挙活動がすでに行われている。
前回2014年の統一地方選では、当時の親中・反日的な馬英九政権の支持率が低迷し、国民党が大敗を喫した。続く2016年の総統選・立法委員(国会議員)選では、中国本土からの独立志向が強く、親日的な蔡英文氏率いる民進党が勝利した。
歴史問題を選挙活動に利用する国民党
事態が動いたのは、韓国が「慰安婦記念日」とした今年8月14日。台湾南部の台南市の国民党支部の敷地内に、台湾初となる「慰安婦像」が設置された。除幕式で演説した馬英九前総統は、次のような独自の主張を展開した。
以下、8月30日付産経新聞から一部抜粋。
- 日中戦争で1937年に南京が陥落した後、日本軍による組織的な虐殺、強姦、放火、強奪により30万人が死亡した。強姦された女性は「何万人」にも上る。
- そのことが原因で慰安所が設立され、中国、韓国、フィリピン、インドネシア、台湾から誘拐、脅迫や詐欺の手段で、婦女が強制的に慰安所に連れてこられた。人数は「中国と韓国からそれぞれ約20万人」。
- 日本政府に「正式な謝罪と賠償」を要求する。民進党政権は発足後2年間、この問題で日本に意思表明をしてこなかった。
台南の慰安婦像が台北に"強制連行"
台南市の慰安婦像は約1カ月前に設置されたが、今月13日、そのレプリカが台北に運ばれ、日本の「霞が関」に相当する、台湾総統府の目の前の「二二八和平公園」に設置された。現地メディアの報道によると、設置者は、国民党から台北市長選に出馬している丁守中氏。丁氏はその場で、次のような演説を行ったという。
「慰安婦問題において軟弱な態度を取り、日本政府に謝罪を求めない蔡英文政権は完全に『媚日』である」「自分が台北市長に当選したら、ここに慰安婦像を設置する予定だ」
9月13日付「中時電子報」ホームページより。
15日時点で、慰安婦像のレプリカは同公園から姿を消していたが、14日から台湾を訪れていた編集部は、偶然、台北市内で、トラックの荷台に無造作にくくり付けられて運ばれている慰安婦像のレプリカをカメラに収めた(冒頭の写真)。
「日本軍による慰安婦強制連行」はねつ造の歴史
そもそも、「日本軍による慰安婦強制連行」は、この十数年間の検証によって、まったく根拠がない、戦後につくられた嘘であることが明らかになっている。
第二次大戦中、日本の兵士が戦地付近で慰安所を利用していた事実はあるが、そうした女性を集めたのは民間業者であり、日本軍による強制連行の事実はない。むしろ、当時の日本政府は、だまして女性を働かせるような悪質な業者を取り締まっていた。
また、米軍の諜報機関だった戦争情報局(OWI)の報告書によると、当時の慰安婦は日本軍の大将以上の給料を得て、客に対しても断る権利があった。
当時の慰安婦は、日本軍が誘拐、脅迫や詐欺などで強制的に連れてきたわけではなく、基本的に、自ら働き口として選んだか、あるいは、貧しい環境で家族や親族に売られたりしたというのが歴史的事実だ。
日台の絆を裂く「慰安婦像」は中国の思うつぼ
台湾の政権は、2年前に親日的な民進党の蔡英文政権となり、日台関係は良好と言える。しかし現在、野党の国民党が、嘘の歴史認識を元に慰安婦像を設置し、いたずらに台湾の反日感情を煽り立てている。
これは長い目で見て、台湾の人々のためにはならないだろう。日台の良好な関係を引き裂くことは、「中国による台湾併合」の近道にもなり、まさに中国の思うつぼだからだ。
日本政府は、日台関係を良好に保ち、中国からの圧力から台湾を守るためにも、政権与党の民進党と、当事者である国民党の両方に対して、慰安婦像の撤去を求める必要がある。
(小林真由美)
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