Interview 世界の人権問題 続く中国のウイグル弾圧 コーラン没収、モスク取り壊し
2017.12.24
2018年2月号記事
Interview 世界の人権問題
続く中国のウイグル弾圧
コーラン没収、モスク取り壊し
中国には、人口の92%を占める漢族以外に、55の民族が存在する。
中国の「自治区」とされた彼ら少数民族の故郷では、今、何が起きているのか。
(編集部 長華子)
イリハム・トフティ・イニシアチブ創始者
エンバー・ジャン
1948年生まれ。13歳の時、家族とともにアフガニスタンへ移住。20歳からトルコで難民として暮らした後、ドイツに亡命し、市民権を得る。90年代後半からウイグル独立運動に携わるようになり、2016年、イリハム・トフティ・イニシアチブを設立し、プレジデントを務める。
中国の王毅外相は、2015年のパリ同時多発テロの後、「対テロ統一戦線を形成すべきだ」と主張した。しかし、これを字義通りに受け取ってはいけない。中国政府は、ウイグル族など少数民族の抗議行動を「テロ」として弾圧しているからだ。
1949年、中華人民共和国の建国とほぼ同時に、中国共産党はウイグル人を中心に構成される東トルキスタンを制圧。その後、新疆ウイグル自治区となったこの地では、中国政府への抗議活動が続く。ウイグル人100人以上が亡くなった97年のグルジャ事件も、数百人が殺され数千人が投獄された2009年のウルムチ騒乱も、平和的なデモを中国当局が弾圧したものだ。
ドイツに亡命したウイグル人のエンバー・ジャン氏に、半世紀以上続く弾圧の実態について聞いた。
数千人が過激派として拘束
漢族とウイグル族の共存へ
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