世界の人権問題 Interview 2 - 中国・人権活動家 陳光誠 3億6千万人が強制堕胎「共産党はやはり悪魔」
2017.11.29
2017年10月下旬、東京で開かれた講演会で、声援に応える陳氏(中央の男性)。
2018年1月号記事
世界の人権問題
Interview 2
3億6千万人が強制堕胎
「共産党はやはり悪魔」
中国では、宗教や言論への弾圧のみならず、人口増加を抑えるための「一人っ子政策」の下、過酷な人権弾圧が行われてきた。
この問題の解決に動いたために事実上の亡命を余儀なくされた盲目の人権活動家に話を聞いた。
(編集部 長華子 山本泉)
中国・人権活動家
陳 光誠
プロフィール
(ちん・こうせい)中国・山東省生まれ。幼い頃、高熱のため失明。農村部の人たちのために在野の法律家として活動して拘束され、自宅軟禁された。2012年に奇跡的に中国を脱出し、現在はアメリカで人権活動を続けている。著書に 『不屈』 (白水社)がある。
約3億6千万人―。
この数字は、1979年から始まった「一人っ子政策」で殺された胎児の数だ。日本の人口の実に3倍にのぼる小さな命が堕胎させられ、女性たちは避妊手術を強制された。
これに立ち向かったのが、陳光誠氏だった。陳氏は独学で法律を学び、農村でこうした人権弾圧に苦しむ住民からの法律相談に応じていた。
2005年、一人っ子政策のあまりの残虐さに地方政府を告発しようとした陳氏は、拘束され有罪判決を受ける。10年に釈放されるが、自宅軟禁となり、12年、奇跡的に脱出。アメリカ大使館に保護された。
現在ではアメリカを拠点に中国の人権保護活動を行っている。
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