対談 綾織次郎 × 鈴木真実哉 「トランプ革命」の本質は資本主義の復活 - 編集長コラム 特別版

2017.04.29

2017年6月号記事

編集長コラム 特別版

本誌編集長 綾織次郎 × HSU経営成功学部ディーン 鈴木真実哉

「トランプ革命」の本質は資本主義の復活

鈴木 真実哉

プロフィール

(すずき・まみや)早稲田大学政治経済学部経済学科卒。同大学大学院経済学研究科博士後期過程単位取得後退学。聖学院大学政治経済学部教授等を経て、現在、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ経営成功学部ディーン。主な著書に『格差社会で日本は勝つ』(幸福の科学出版)などがある。

綾織 次郎

プロフィール

(あやおり・じろう)一橋大学社会学部卒。産経新聞に入社後、政治部で首相官邸、自民党などを担当し、2001年に幸福の科学に奉職。「ザ・リバティ」編集部で主に政治、国際政治などの分野を担当。現在、幸福の科学常務理事兼 「ザ・リバティ」編集長兼HSUビジティング・プロフェッサー。著書に、『愛と勇気のジャーナリズム』、『「奇跡」の日本近代史』(HSU出版会)、『GDPを1500兆円にする方法』(幸福の科学出版)などがある。

「日出づる国」日本のミッション

「日出づる国」日本のミッション

綾織次郎著

幸福の科学出版

トランプ米大統領はこのほど、シリア空爆を断行し、北朝鮮とも対決しようとしている。

トランプ氏はどんな世界をつくり出そうとしているのか。

本誌編集長・綾織次郎著『「日出づる国」日本のミッション』をもとに、著者とハッピー・サイエンス・ユニバーシティ経営成功学部ディーンの鈴木真実哉氏が対談した。

綾織編集長(以下、綾): アメリカは本日4月7日、シリアに対しミサイル攻撃しました。トランプ氏は「レッドラインを越えた」と言ってすぐ攻撃を仕掛けた。近年にない有言実行の大統領です。

新しい時代の号砲

鈴木真実哉氏(以下、鈴): アメリカのシリア攻撃は、新しい時代が幕を開ける一つの号砲だと考えます。 アメリカは軍事でも経済でも、正義のためにあらゆる手段を尽くすということでしょう。

綾: 1990年代のクリントン政権時代以降、アメリカは「世界の警察官」の役割を緩やかに後退させてきました。でもトランプ氏は、一般市民に化学兵器を使ったら軍事介入するという、アメリカとして当たり前のことをやったということですね。

しかし、アメリカや日本のメディアには、「トランプ氏がレッドラインを越えた」と、まるで狂ったと言わんばかりの報道も出ています。マスコミの歪みは大きいです。

国民国家の考え方は大事

鈴: トランプ革命は「マスコミ革命」でもありますね。トランプ氏はリトマス試験紙だと思います。トランプ政権をどう見るかによって、個人もマスコミも見識が問われます。

綾: 90年代以降は、企業が世界中どこでも稼げる国に行って稼ぐというグローバリズムが続いていました。工場がアメリカから海外に出て行き、中流階級は貧しくなりました。一方、オバマ政権は彼らを助けるために、ほとんど社会主義的な国をつくりました。こちらはリベラリズムですね。

トランプ氏は就任演説で「国民を福祉頼みから脱却させて、仕事に戻れるようにします」と言いましたが、要は、グローバリズムとリベラリズムの両方を終わらせるということです。仕事があって、汗を流して働いたほうが国民は幸せだという、極めて真っ当なことをトランプ氏は言っています。アメリカ本来の勤勉さに回帰するのだと思います。

鈴: 政府が社会保障で国民の面倒を見るよりは、企業が従業員に給料を払ったほうが健全です。それは人間の尊厳のイロハであり、経済の基本中の基本です。法人税を国に納めることもできます。

企業は国が義務教育で「読み書きそろばん」を教えた人たちを雇い、国が造ったインフラも使います。その分、税金を納めないといけない。人件費が安いからと、工場を海外に移すのは身勝手な経済行動です。

トランプ氏がアメリカに企業を戻し、雇用を確保し、給料を払い、自国に税金を払わせようとしていることが、どうして保護貿易なのか。私にはさっぱり分かりません。

綾: 保護貿易、自由貿易という以前の、国を豊かにすることはどういうことかという問題ですよね。

先般、「リーダーズ」という、トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎をモデルにしたテレビドラマが放映されていました。戦前、アメリカ車が日本を席巻する中、血のにじむような努力をして国産車による豊かなクルマ社会をつくるという物語で、観ていて胸が熱くなりました。

原点に帰って、日本の企業はまずは日本を豊かにするという、国単位の考え方が大事だと思います。

鈴: 国民国家の考え方はまだまだ大事です。自分たちの国は自分たちの責任や努力で発展・繁栄させるべきだということです。

企業にも愛国心が要る

綾: 18世紀の経済学者アダム・スミスは『国富論』を書きましたが、これは愛国心とつながっていますか?

鈴: つながっています。"The Wealth of Nations"ですから。国や国民がどうしたら豊かになるか、ということは、愛国心がないと考えられないですよね。

綾: 『国富論』でトランプ氏の経済政策は説明できますか?

鈴: できます。スミスは「国の富の本質は、金や銀ではなく、国民が働いて毎年生み出す生産物の価値だ」と唱え、その後のGDP(国内総生産)の概念を初めて打ち出しました。

雇用が増え、国民が一生懸命働き、給料をもらえるようになれば、GDPが増える。 トランプ氏は、アメリカの企業が少々経営的に苦しくても国内でがんばれる環境をつくろうとしている。これは、企業にとっての愛国心の実践ですよ。

トランプ氏は宗教的人格

綾: 本にも書きましたが、トランプ氏は意外にも宗教的な人格なんですよね。演説で「創造主の下に一つになることができる」「人間は単なる肉体存在ではなく、スピリチュアルな存在だ」といった言葉がすっと出てきます。感動的な話をしているんですが、報道されません。

そういう宗教的・精神的なベースがあって、企業の愛国心や、「福祉漬けはいけない」という話が出てくる。 「人間の魂にとって何が幸福なのか」を言っているわけです。根底のところに宗教的な動機があると思います。

鈴: 神の代理人としてアメリカ大統領をやっている、という信念があるのでしょうね。

安倍首相は「トランプ革命」についていけるのだろうか。写真:ロイター/アフロ

眠れる獅子・日本

綾: 今、北朝鮮情勢が緊迫していますが、トランプ氏は「あらゆる選択肢をとる」と言いつつ、中国を動かそうとしている。果たして中国は本気で動くかどうか。やはり、日本が自国だけでも行動することを考えないといけません。

鈴: トランプ政権は戦後日本の一国平和主義、憲法9条体制に対する革命を起こすと思います。

綾: トランプ氏は大統領選中、「日本が核武装してもいい」と言っていたわけですから、日本の首相は首脳会談で「北朝鮮は核ミサイルで日本を攻撃できるようになったのだから、核武装するしか手はありません」と宣言してほしいものです。

鈴: 4年もしくは8年、政権を担って、正義に基づく国際秩序をつくるでしょう。日本は国家も企業も個人も、8年後まで視野に入れて戦略を練るべきだと思います。

綾: では、2025年ですね。この本の帯には「2025年、新世界秩序(ニューワールドオーダー)が現れる!」と書きました。これを日本も創り出していかないといけないわけですね。

この本では「日本のミッション」をいくつか挙げています。軍事的に日本がアジアの自由を守る。中国・北朝鮮の核兵器を止める。中国の金融覇権を止める。イスラム圏の改革を導く。

鈴: 私は「トランプ革命」の本質は、資本主義の復活だと考えています。あるいは、新しい資本主義の誕生です。 世界をもう一度繁栄させようという神様の意図がトランプを通して現れてきている。 日本はこの動きをさらに発展させて、世界に広める使命があると思います。

綾: この本の副題にある、「トランプ革命で神国が目を覚ます」ということですね。その結果、「『日出づる国』日本のミッション」を果たしていく。

鈴: これから出てくる日本のリーダーたちが、新しい時代の主役です。トランプ氏は、眠れる獅子である日本の力を呼び覚ますでしょう。

(綾織次郎)

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タグ: 福祉  鈴木真実哉  トランプ革命  綾織次郎  資本主義  編集長コラム  2017年6月号記事  軍事介入  愛国心 

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