ロシアがシリアへの爆撃強化 米露は「イスラム国」掃討で歩み寄れるか
2015.10.10
ロシア軍が空爆とミサイル攻撃によるシリアへの介入を強化し、アメリカとの緊張が高まっている。
プーチン大統領は、欧州首脳会談の場で今回のシリアへの爆撃は過激派組織「イスラム国」への攻撃であると強調しているが、アメリカ政府は、ロシア軍がイスラム国の壊滅のためでなく、ソ連の時代から密接な関係にあるアサド政権を支援するために空爆を続けていると強く非難している。
プーチン大統領が世界に教えようとしている?
そうした中、米ニューヨーク・タイムズ紙(8日付)に掲載された、ブルガリアの政治理論家イワン・クラステフ氏の「プーチンは私たちに教訓を与えようとしているのか?」というコラムが興味深い。
記事の内容は以下の通り。
- ロシアのシリア爆撃によって、プーチン大統領はアメリカに対し「アメリカはあらゆる内戦に介入する準備を整えるべき」ということと、「民主主義に固執して国民が反政府運動をすることを煽るべきではない」という2つのことを教えようとしている。
- オバマ大統領とプーチン大統領の考え方は、現在のシリアの政情不安の原因が何かという点で異なる。アメリカはアサド政権のような「独裁的な国家権力」が政情不安の原因と考える一方、ロシアは「民主主義にこだわる考え方」が反政府組織の活動を活発化させているとみている。
- ロシアは、今後中東のように重要な地域となる中央アジアにおいて、政治情勢を安定化させる使命があると考えている。
- ヨーロッパ諸国は、シリアの内戦を解決するにはアメリカとロシアが協力することが唯一の道であると希望を持っている。
ロシアに批判的なアメリカ寄りのメディアが多い中、「プーチン大統領がアメリカに何かを教えようとしている」という主張は珍しい。
「地球的正義」の代理を自任すると語ったプーチン大統領の守護霊
大川隆法・幸福の科学総裁は2014年4月、プーチン大統領の守護霊を呼び出し、その本心を探っていた。プーチン大統領の守護霊は、アメリカが世界の警察官としての役割から後退している中、「『世界の正義』を『しばらく代理しなきゃいけない』と思っている」と発言している。これは、前掲のコラムと部分的に一致する。
さらに、シリアについてプーチン大統領の守護霊は、「ロシアとシリアの関係は長いので、ロシアはシリアのことを知り尽くしているが、アメリカはあまり分かっていない」「平和裡に、合法的に、アサド政権が替わることが望ましく、暴力的な手段やテロで体制が崩れることは望ましくない」としている。
アメリカとロシアの主張は相容れないように見えるが、両国ともイスラム国を脅威と見なしていることは共通している。シリアのアサド政権と反政府組織の内戦をロシアとアメリカの代理戦争とするのではなく、独裁的なアサド政権の退陣を視野に入れつつ、歩み寄ることが必要なのではないか。(真)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『プーチン大統領の新・守護霊メッセージ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1148
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