中国経済の魅力は何と言ってもそのスピード。何もなかったところに、あっという間にビル群が林立する。上海などはその象徴だが、その陰で、土地収用を巡る地元当局と住民とのトラブルが深刻化している。

日経新聞の記事によれば、強制収用に反発した住民が爆弾で武装したり、焼身自殺を図るなどして抗議しているというから、その対立の激しさは半端なものではない。強制立ち退きなどをきっかけとした暴動は、年数万件に上るという。

ちなみに日本の六本木ヒルズは、都市計画スタートからオープンまで 17年かかっている。地権者や周辺住民との説明や説得作業に時間をかけたためだ。

この文化の違いの背景にあるのは、日本では土地は個人や法人で所有できるのに対し、中国の土地は基本的に国有であること。管理も地方政府が行なうため、強引な土地収用と開発が行なわれてしまうわけだ。

中国経済の発展の背景にある、共産党政権であることの負の部分が、こうした事件に現れている。(村)

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