学級崩壊などで教員の指導力が問われる現在、日本経済新聞のインタビュー記事でテルモ会長の和地孝氏が教員養成の提案をしている。

ウェブでは公開されていないため、以下、記事より抜粋。

・グローバル化の時代は子供一人ひとりの個性を徹底的に伸ばす教育が必要です。この国を支えてきた教育の崩壊に強い危機感を持っています。

・大きな問題が、先生の養成です。戦前は師範学校という特別の学校があった。

・寺子屋式の師範館を提案します。対象は教員免許を持つ社会人と先生志望の学生、それに現役の先生です。条件は、いい先生になりたい、もっと勉強したいという情熱。教えるのは、企業経営者やOB、さまざまな社会経験を積んだ人たち。人を育てることの重要性や社会の仕組みと常識、生きていくための知恵、失敗したときの対処法、学校経営法など、自らの人生で学んだことを教えます。

・週末の学校を貸してほしい。教える人は、無報酬のボランティアなので費用もあまりかかりません。教育の現状を憂い、再建に貢献したいと思う企業人は大勢います。

・かつて英国のブレア首相は『一に教育、二に教育、三に教育』と言いました。(中略)日本も、英米のように優れた先生を国が表彰する制度にしたらどうでしょう。先生が輝いていて尊敬される存在でいるには待遇改善も必要です。保護者も批判だけでなく、子供が先生を尊敬するよう協力してほしい。

いじめを止められない教師や、授業中に立ち歩いていても叱れない教師など、学級崩壊の原因は教師の問題でもある。

教育の質を高めるためには、和地氏の提案するような教員養成の師範学校は必要だろう。

だが、さらにもう一歩進めるなら、教員を教える側になる実社会で活躍した人たちが、学校を開いたり、教員免許を持っていなくても直接生徒を指導できるようになってもいい。

そうすれば、多様な教育方法が生まれ、子供が自分に合った学校を選べるようになり、一人ひとりの個性を徹底的に伸ばすことができる。

また、そうすることによって、学校間・教員間に競争原理が入り、ますます教育の質は高まるはずだ。教師の指導力・教育力が高まってこそ、いまや失いかけている教員に対する尊敬も返ってくるのではないだろうか。(吉)

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