米証券会社大手ゴールドマン・サックス(GS)がロシアの会社とともに、このほど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手のフェースブックに5億ドルの出資を決めた。同時にGSはフェースブックの時価総額を、Yahoo!やeBayを上回る500億ドルと評価している。

ニューズウィークはこの話題について、フェースブックの収益力に疑問を投げかけ、ソーシャル・メディアのブームが、第2のドットコム・バブルになるのではないかと懸念を示している。会員数増加によってポテンシャルが高いことは認めるものの、それを効果的に広告収入に結び付けられるかは、プライバシー等の観点から心もとない。今回のGSの出資も、短期的なリターンを狙ったものであると、ニュースウィークは指摘している。

フェースブックやツイッター等、IT技術を駆使した新たなメディアが次々と台頭してきているが、長期的に市場原理によってある程度の淘汰は確かに今後起こってくることなのであろう。競争者の数が膨らみ、淘汰が起こったドットコム・バブルの再来をこの記事が言うのも、そうしたわけである。未来社会を創る一翼を担う可能性さえあるとはいえ、新メディアは黎明期であって、その位置付けや経営モデルが確立するまでには、ある程度の曲折も経るものと思われる。経営学者ピーター・ドラッカーが存命中に、IT技術を用いた新産業が本当に興ってくるのはまだこれからと述べていたことを思わせる。

フェースブックの評価額が妥当であるのかについては、6日付のエコノミストも論じている。

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