3000人の大規模代表団を率いて訪中している自民党の二階俊博総務会長が、最初の訪問先として広東省の省都・広州を訪れ、広東省トップの胡春華書記と会談した。
胡氏は二階氏を歓迎し、両者は経済や観光分野での日中交流の促進で両国の関係改善を図るという認識で一致。今回の訪中は、表面的には民間の観光・文化交流を目的としているが、実際は中国との関係改善に向けた政治目的との見方が強い。
二階氏は安倍首相から習近平国家主席に宛てた親書を渡すため、滞在中に習近平国家主席とも会談する見通しだ。
「ポスト習近平」最有力の胡春華氏 デモ弾圧はお手のもの
今回の会談相手である胡春華氏は、「ポスト習近平」の最有力候補として注目されている。
幼少時から「神童」と呼ばれるほどの秀才で、16歳で中国最高峰の北京大学に入学。卒業後は志願してチベット自治区の共青団幹部になり、以来23年間、チベットの党機関紙「西蔵日報」の編集長や国営のラサホテルの社長などを歴任した。
のちに国家主席になる胡錦濤氏がチベット自治区のトップに赴任中、自由を求めるチベット人と治安当局の間で大規模な衝突が起きたが、胡錦濤は軍を出動させてこれを弾圧。この時に胡錦濤氏を支えたのが、腹心の部下である胡春華氏だった。
また内モンゴルでは、漢族が牧草地を破壊して資源開発をしていることに反対した、現地の遊牧民や学生など約2千人による抗議デモが発生。胡春華氏は、現地に駆けつけた海外メディアを完全にブロックし、学生を学校に軟禁するなどしてこのデモを鎮圧した"実績"も持つ。
彷彿される二階氏の韓国・朴大統領への「朝貢外交」
ちなみに、今回訪中した二階氏は、今年2月に約1400人を率いて韓国・ソウルにも訪問し、朴槿恵大統領と会談した。
日本政府は慰安婦問題について、「1965年の日韓請求権協定で完全に決着済み」という立場をとっている。それにも関わらず、会談中に朴氏が「今残されている関係者の存命中の問題解決」を求めると、二階氏は「まったくその通りだ」と丸飲みしてしまった。このように繰り広げられた「独自外交」は、日本国内から大批判を浴びた。
今回は歴史問題への言及はなかったが、もし二階氏がこのような「朝貢外交」を中国とも繰り広げるようなことがあれば、日本の外交を混乱に陥れることになる。
戦後70年の今年、中国からはさまざまな形で謝罪を要求されることが予想される。日本を代表する政治家は、中国主導の外交を許して日本の国益を損なわないよう、守りを固めながら関係を築かなければいけない。(真)
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2014年7月号記事 「フビライ・ハーンの霊言」で分かった3度目の「元寇」を仕掛ける中国の次の指導者
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7881
2014年5月11日付本欄 習近平氏を超える「恐怖支配」 次の中国の指導者が描く、「中韓米による日本降伏計画」とは?