マルコ・ルビオ上院議員が共和党の大統領候補として立候補することを、14日に表明した。

2011年に初めて米上院議員として当選したばかりのルビオ氏。弱冠43歳で大統領を目指すルビオ氏は、アメリカに何をもたらそうとしているのだろうか。彼が出馬を発表した演説の要点を見てみよう。

マルコ・ルビオ候補の演説の要点

  • 減税、規制緩和、税制度の改革など、「小さな政府」で「機会の平等」を作る。「政府」ではなく、「家族」こそが社会でもっとも重要な社会単位。
  • 卒業しても就職できず、多大な学生ローンを抱えさせられる大学を改革し、小・中・高の学校教育も充実させる。
  • オバマケア(国民皆保険)の撤廃。
  • 国防の強化。ならず者国家に媚びず、同盟国をきちんと支援する。中国やロシアの軍事行動に反対し、イランに対して媚びることも反対。
  • 世界的に、民主主義や人権などが後退している状況を食い止め、アメリカの国際的なリーダーシップを再確立する。
  • 妊娠中絶や同性婚に反対。

基本的にアメリカの保守層に受ける内容だ。しかし2013年、彼は違法移民に恩赦を与えて、国内に在住する権利を与える法案を支持したため、保守系団体からの信用がぐらついている。

ルビオ氏はキューバ移民を親に持つため、移民の苦境を知っているとともに、キューバの独裁政権に対して非常に批判的である。

日本にとっては望ましい候補?

もっとも、日本にとっては彼のような信条を持った米大統領は望ましいかもしれない。彼は中国を明らかに警戒しており、より強硬な対中包囲網を確立しようとする可能性がある。

若く、経験も少ないため、彼が共和党の候補として選出される可能性は低いという意見も一部にはある。しかし、最近出馬を表明したヒラリー・クリントン候補や、近々出馬表明すると見られているジェブ・ブッシュ氏(ブッシュ元大統領の弟)に対して、一部の有権者の間では、「またクリントンとブッシュか」と、「飽きられている」側面がある。

2008年、イラク戦争に疲弊したアメリカ国民が、上院議員となって間もなかったオバマ氏を選んだように、今、衰退の兆しを見せているアメリカに危機感を抱いた国民が、今回はルビオ氏を選ぶ可能性もある。

アメリカの大統領選はまだ始まったばかりであり、投票日の2016年11月まで何があるか分からない。オバマ氏の後のアメリカが衰退を続けるか、復活するかは次の大統領にかかっている。米大統領選には今後とも注目していきたい。(中)

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