米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、2016年の大統領選に出馬する意欲を示している。だがその一方で、共和党には有力な対立候補が現われていない。そんな中、貧困対策に意欲を燃やす候補が現われている。

共和党は本来、税金が少なく、国民が自助努力を重んじる「小さな政府」を目指す政党。弱者救済に力を入れる、民主党が進める国民皆保険制度(オバマケア)に反発してきた。しかし、共和党の下院議員で予算委員会の委員長を務めるポール・ライアン氏は、食糧購入補助制度や住宅支援などを統合し、州政府の裁量を強めるセーフティ・ネットを目指すと宣言した。

だが、2012年の大統領選で副大統領候補だったライアン氏は、これまで、財政削減主義者として知られており、保守層の支持を集めていた。そんなライアン氏が、今回、民主党的な弱者救済型の政策を打ち出す背景には、貧困層の拡大があるようだ。