来年11月の米大統領選に、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が出馬することを正式に表明した。一方、共和党からも立候補の表明が相次いでおり、選挙に向けた論戦が本格的に始まることになる。

ヒラリー氏は、出馬表明の映像で、中間層重視の経済政策を進める方針を鮮明した。その国内政策は、最低賃金の引き上げを推進するなど、オバマ氏のバラマキ路線と重なっている。

しかし、外交・安全保障政策では、オバマ氏より頼りになりそうな印象を受ける。オバマ政権は2009年まで、親中の姿勢を見せていたが、ヒラリー国務長官(当時)は、中国の軍事侵略に危機感を抱いていた。2010年から、アジアの防衛を固める「アジア回帰」を唱え始め、東アジア諸国連合(ASEAN)の会議で、南シナ海の領土問題を取り上げるなどした。

またヒラリー氏は、同年10月から11月にかけて、ベトナム、カンボジア、マレーシア、ニュージーランド、オーストラリアなどを歴訪。オバマ大統領も背中を押されるように、インド、インドネシア、日本、韓国を訪問した。2氏の訪問国を見れば、それが中国包囲網になっていることは、一目瞭然だ。

当時のオバマ大統領は、対話を重視し、核の全廃などを目指す理想主義路線であった。だが、ヒラリー氏が主導し、力と力のせめぎ合いという観点から国際政治を観る、パワーポリティクスに基づいた保守主義路線に変更させた形だ。

大川隆法・幸福の科学総裁は、2012年、ヒラリー氏の守護霊を呼び、その考えを聞いた。守護霊は、「やはり、政治体制が違うというか、基本的な信条が違う国とは、一緒にやっていけないのでね。中国とは、貿易では何とか付き合うことはできても、政治体制を共にすることは難しいと思っています」と述べ、中国と距離を取る考えを示した。

経済政策としては、本来、少ない税金、国民の自助努力を重視する共和党の方が望ましいだろう。経済力の裏付けがなければ、外交力、軍事力も落ちていくからだ。しかし共和党には、有力な候補がおらず、候補者の指名争いも大混戦となっている。もし、ヒラリー氏が女性初の大統領になったとしても、オバマ大統領の弱腰姿勢よりは、日本にとって頼りになる外交が期待できるかもしれない。

ただ、歴史認識では「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を信じている節があり、この点は警戒すべきことである。

民主党、共和党のどちらの候補が大統領になろうとも、アメリカは、世界の警察官としての役割を果たすべきだ。そして、日本は、日米同盟を強化しつつも、安全保障法制を整備し、さらには憲法9条の改正にも踏み込み、アジア・太平洋地域の平和を守る準備を進めることが重要だ。(泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 ヒラリー・クリントンの政治外交リーディング 大川隆法著

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幸福の科学出版 バラク・オバマのスピリチュアル・メッセージ 大川隆法著

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