東大寺大仏殿・毘盧遮那如来坐像(Wikipediaより)。

「日本が、アジアで最も栄えた仏教国の一つだった」ことを象徴するのが、奈良県・東大寺にある毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)像、いわゆる奈良の大仏です。

この大仏は、仏教伝来(552年)から、ちょうど200年目の節目に合わせて、752年に開眼されました。

この大仏建立事業を、日本文化の精華として評価する声もあれば、為政者が民を苦しめた例として批判する声もあります。

当時の聖武天皇は、なぜこうした事業を行ったのでしょうか。大仏建立の背景にあった宗教的思想について、仏教の経典や聖武天皇の詔(みことのり)などから見ていきます。