設置を「不認可」とされた幸福の科学大学をめぐる問題で、同大学の開学を目指していた学校法人幸福の科学学園(理事長・木村智重)が7日、下村博文・文科相に対して異議申立を行った後、文科省内の記者クラブで会見を開いた。木村理事長らへの取材で、会見の内容が明らかになった。
同学校法人の木村理事長らが、東京・霞が関の文科省に出向いたのは、午後4時すぎ。文科省の大学設置室長に、直接、下村文科相宛ての「異議申立書」(幸福の科学グループ公式サイトにアップ中 http://info.happy-science.jp/2014/12003/ )を提出した。
提出後、同省内の記者クラブでプレスリリースを行い、朝日、読売、日経、産経、NHK、日本テレビなど計15社の記者を前にして会見を開いた。関係者の話によると、以下のような状況だったという。
まず、木村理事長が経緯を説明し、次のように訴えた。
「今回の下村大臣の不認可という結論には、問題点があると思い、先ほど、大学設置室長に対して、異議申立を行ってきました。その理由としては、まず、霊言があるから大学を認めないのであれば、国民に保障されている『学問の自由』『信教の自由』を侵害する憲法違反です。次に、霊言を否定するなら、そもそもキリスト教系、仏教系の大学や天理大学は存立しえません。最後に、不可理由の『霊言』についての記述は、今回突然、最後に出てきたものであり、抗弁の機会もないままに不可となりました。それを理由にするのは行政上の瑕疵に当たると思います」
以下は、一問一答の要約。
記者: 審議会からの是正意見は、何個ぐらいついたのか?
木村氏: 手続き上、2回のやり取りがあり、是正意見はある程度ありました。しかし今回、是正意見として残ったのは1つで、それが不可の理由になりました。通常、是正意見が5や10あれば、本当に不可になりますが、1つしかない場合、保留とされて継続審査になるか、事前に呼ばれて「ここだけが問題ですけど、どうしましょうか」という打診があるのが普通だと、専門家からは聞いていました。今回はそれがなく、いきなり「不可」とされたわけです。
記者: 本来、異議申立ができない制度になっているが、文科省の反応はどうだったか?
木村氏: 書類は受け取ってもらえました。確かに学校教育法139条には、「不服申立てをすることができない」とあります。でもそれは、「慎重な手続によって行なわれた処分である」ということが前提です。今回は、それまで一度もやり取りの中で出てこなかった「霊言」という理由が、最後に出てきて不可とされており、慎重な審査が行われたとはとても思えません。つまり、139条の適用の前提を欠いています。まず、不可という結論があって、後付けの理由として「霊言」を持ってきたとしか思えません。
記者: 建物にはかなり投資したと聞くが、いくらぐらいかけたのか?
木村氏: トータルで百数十億円です。この大きな投資が、憲法違反に基づくたった1つの是正意見でつぶされてしまいました。これは、開学を心待ちにしていた幸福の科学の生徒たちや一般の入学希望者の期待を裏切る行為でもあります。この対応は、公僕として誠実なものなのだろうかと考えざるを得ません。
会見は約20分間続いたという。木村理事長は、本誌の取材に対し、こう語った。
「今回の不認可の判断には、根本的な問題点があります。ですから、この不認可を取り消し、認可していただきたい。そうでなければ、公僕の仕事として疑問があります。私たちは、『学びたい』と願っている多くの若者たちの熱意に、真摯に、真剣に応えたいのです。この気持ちをぜひ理解していただきたい」
この訴えを聞いて、審議会、文科省、そして、下村文科相は、どう思うか。はたまた、世論、マスコミはどう思うか。
【関連サイト】
ネットオピニオン番組「ザ・ファクト」 緊急特番!「幸福の科学大学不認可は『政府による宗教弾圧』だ!」
https://www.youtube.com/watch?v=Pr0cjIs7ZHA&list=UU24I2gsaEx_zfrRHQphjj-w
【関連記事】
2014年11月7日付本欄 【速報】設立不認可の「幸福の科学大学」が、文科相に異議申立 「不認可の撤回と、改めて認可を求める」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8697
Web限定記事 幸福の科学大学開設「不可」の背景にある自民党政治家たちの思惑
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8679
2014年10月29日付本欄 「幸福の科学大学」開設不可 大学設置審が文科相に答申
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8660
2014年9月3日付本欄 「幸福の科学大学開学を求める嘆願書」が5日間で17万筆超 国民の声に答えよ