慰安婦問題をめぐる朝日新聞の報道をめぐって、同紙が説明責任を果たすよう求める声が政府・自民党から上がっている。

安倍晋三首相は14日、NHKの番組で、朝日新聞が吉田清治氏の証言を取り消したことに関して、「世界に向かってしっかりと取り消すことが求められる。朝日新聞がもっと努力していく必要がある」と発言した。

自民党の稲田朋美政調会長も、同日のフジテレビの番組の中で、「32年間、誤報を放置してきたことは不作為による虚偽といっても過言ではない」と述べ、第三者委員会による朝日報道の検証を「注視したい」とコメントした。

朝日新聞の責任を問う声が強まる一方で、同紙関係者の国会招致や河野談話の見直しについて、自民党は慎重な姿勢を崩さない。

自民党の谷垣禎一幹事長は記者会見で、朝日新聞について「真摯な反省をしていただく必要がある」と述べたものの、参考人招致については、「私は自治、自律を重んじる。政界人にボールをぶつけるというよりも、みなさん方(報道機関)で、ジャーナリズムはどうあるべきか、議論することがまず大事じゃないか」と話した。

菅義偉官房長官が河野談話の見直しをたびたび否定するなど、慰安婦問題の根本解決に向けた政府・自民党の取り組みは不十分な部分がある。自民党の有志議連「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、官房長官として河野談話を発出した河野洋平氏の聴取を検討する方針だが、こうした主張はまだ、党の上層部にまで広がってはいない。

自民党は、河野氏が党の元総裁であることに配慮し、同氏の国会招致に及び腰だ。しかし、問題は日本の国益を損ねた河野談話にけじめをつけることであり、いつまでも党としてのイメージにばかりこだわっていてはいけないだろう。

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