理化学研究所の発生・再生医学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長が自殺したことが、5日午前に確認された。笹井氏は撤回された小保方晴子氏の論文を指導しており、その責任が問われていた。笹井氏の冥福を心から祈りたい。
同日午後に行われた理研の記者会見では、今回の自殺の要因や遺書の内容は公表されていない。そんな中、「STAP細胞はやはりなかったのではないか」という憶測も飛び始めている。
しかし笹井氏は、4月に行った記者会見で、「STAP現象があると考えないと説明できない現象がある」と断言。STAP現象の検証に意欲を示していた。また、小保方氏宛の遺書には「あなたのせいではない」「STAP細胞を必ず再現してください」といった趣旨のことが書かれていたという(神戸新聞NEXT)。この点から見ても、「STAP細胞が嘘だった」ことによる自殺とは考えにくい。
本欄では、2つの要因に注目したい。
一つは、理研内外から起きていた再現実験反対の声だ。7月に小保方氏が検証実験に加わることが発表されると、日本分子生物学会が、不正の有無がはっきりするまで実験を中止すべきとの主旨で声明を発表。日本学術会議審議会も7月25日に、「研究全体が虚構であったのではないかという疑念を禁じ得ない段階に達しています」との声明を出し、再現実験を待たずに関係者の処分を行うべきとしている。
また、理研内部の研究者がつくる「研究員会議」が7月に全職員を対象に行ったアンケートでも、41.9%が論文の疑義の調査を優先させるべきとしており、疑義の調査と実験を同時並行すべきと答えたのは35.4%、検証実験を優先すべきという意見は12.8%だった。さらに理研の改革委員会は、CDBの解体や笹井氏らの辞任を要求している。
これらから、理研内部で「検証実験を行うべき」という意見と「疑義の調査や処分を進めるべき」という意見との間で、笹井氏が板挟みになっていたのではないかと考えられる。
もう一つは、NHKが7月末に報道した番組「調査報告 STAP細胞 不正の深層」だ。ここでは、笹井氏と小保方氏のメールのやり取りを紹介し、二人が不適切な関係にあるかのような印象を与えた。このように、研究と関係のない部分についてマスコミが攻撃を行うという報道姿勢が、笹井氏をさらに追い詰めたと考えられる。
ネット上では笹井氏の自殺について「小保方の不正が原因では」という書き込みすら行われている。だが、小保方氏の論文に確かにミスはあったが、これを不正とは言えない。「ミスがあればマスコミの袋叩きに遭い、自殺に追い込まれる」ということが繰り返されるようでは、研究者が思い切った発表ができなくなってしまうだろう。
小保方氏らが進めているSTAP細胞に関する実験が進み、証明されることを祈りたい。(晴)
【参考書籍】
幸福の科学出版『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1144
幸福の科学出版『「嫉妬・老害・ノーベル賞の三角関数」守護霊を認めない理研・野依良治理事長の守護霊による、STAP細胞潰し霊言』大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1145
【関連記事】
2014年6月号記事 これは天才科学者への異端審問だ - それでもSTAP細胞は存在する 優秀な研究者は国の宝
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7735
2014年8月号記事 急ぐべきはSTAP細胞の存在の証明 - The Liberty Opinion 2