株主総会の時期と言われる6月は、いわゆる「ブラック企業」と批判されている企業の総会内容が注目を集めた。
牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの株主総会は6月24日に開かれた。「すき屋」は、労働環境に不満を持つアルバイト店員が「ストライキ」を行ったことで、営業休止となる店舗が相次ぎ、それをきかっけに「ブラック企業」と呼ばれるようになった。
同社の総会では、小川賢太郎会長兼社長が「ネットでブラック企業と言われ、株を持っているだけで友人から叩かれる」という株主からの苦情に対し、「違うじゃないかと言いたい。どのような企業が黒か」と反論する一幕もあったという。
また、「ブラック企業」の代名詞のように言われている、居酒屋チェーン大手のワタミは株主総会を6月29日に開き、その直後に同グループ創業者の渡邉美樹氏が講演を行った。ワタミは2014年3月期、上場以来初の最終赤字に転落した。渡邉氏はその一因として、「『ブラック企業』との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービスの売り上げにも影響した」と語ったという。
どちらの企業も、人手不足に悩んだ挙句に、「ブラック企業」というレッテルを貼られて損害を受けている。批判する側からすれば、「当然の報い」と映るかもしれないが、果たしてそうなのだろうか。