エジプトでのコプト派に対する襲撃事件を New York Times紙(電子版)が伝えている。
エジプト北部のアレキサンドリアでは新年のミサにつどったキリスト教の一派であるコプト教徒21人の信者が死亡し、約 100人が負傷した。これに対しオバマ大統領は「野蛮で凶悪」"barbaric and heinous"、ローマ教皇は「恥ずべき行為である」"vile gesture"と声明を発表した。
コプト派は、マルコが1世紀にアレキサンドリアに立てた教会にその起源を持つ。
現在、全世界に5千万人の信者がおり、エジプトでは人口の10%を占める。
コプト派が少数派ながらエジプトで2000年近く信仰を維持できたのは、イスラム教の「寛容」の表れとして歴史的には高く評価されてきた。
ところが 21世紀に入り、両宗教間の緊張が高まっている。
昨年 10月にはムスリムからコプトへの改宗した信者が殺害されている。今回の襲撃事件ではアルカイダの関与も指摘されている。
「あらゆるキリスト教徒がジハードの標的」とするアルカイダの登場とともにイスラムはその誇るべき「寛容」を失いかけている。
事実、エジプトは民主主義国家を標榜し信教の自由を憲法で保障しているが、コプトからムスリムへの改宗は事実上不可能に近い。
少数派の権利を維持することなく、民主主義を確立することはできない。ムスリムは、真の寛容の精神を取り戻すとともに、ムバラク政権は犯人を外国の陰謀説として片付けるのではなく、信教の自由の確保のために公正は判断をしていかねばならないだろう。 (HC)
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