2014年7月号記事

インタビュー

天安門事件から25年

日本は積極的に中国に民主化を求めてほしい

天安門事件当時の学生リーダー

王丹

(おう・たん) 1969年、北京生まれ。中国の民主活動家、歴史学者、国立清華大学(台湾)客員助理教授。1989年の天安門事件では学生リーダーとしてデモを主導。事件後、逮捕・投獄されるが、仮釈放と同時にアメリカに亡命。2008年にハーバード大学歴史学部で博士号取得。現在は台湾に在住しながら、中国の政治改革を訴え続けている。

1989年6月4日、天安門広場に集まっていた学生たちに向かって人民解放軍が銃撃を始めました。

未だに全容は明らかになっていませんが、約2000人の学生や市民が殺され、もっと多くの人が負傷したと推測しています。推測しかできないのは、証拠が何一つ残されていないからです。私自身も、自分や他の人が映っている事件の写真すら持っていません。

当時、私たち学生は民主化と自由を求めて、天安門に向けてのデモやハンガーストライキを行いました。政治腐敗が深刻で、それが中国にとって障害となっていたからです。

以前から民主化運動に参加していた私は、経験を買われてリーダーの一人になりました。事前に話し合いを行い、他の学生たちに参加を促し、天安門広場でのデモを主導したのです。

事件後、逮捕・投獄されましたが、私の名前は広く知られ、国際社会も私の状況に関心を持っていたため、獄中での扱いはまともでした。しかし、投獄された他の友人たちはひどい目に遭っています。私は非常に特殊なケースにすぎません。