シリア北部アレッポの反政府派支配地域を中心に、政府軍の空爆が1週間以上続いている。反政府派の「地域調整委員会(LCC)」によると、22日の死者はシリア全体で166人、アレッポだけで92人に上った。23日付CNNなどが伝えている。

空爆はドラム缶に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」によって行われているという。たる爆弾はビルを丸ごと破壊するほどの威力を持っており、ヘリコプターなどから投下される。

こうした中、アレッポ市内の病院には負傷者が殺到し、医師らが血の海の中で手術に臨んでいるという。アンマル・ザカリア医師は22日、CNNの取材に対し、「今日の大規模虐殺で、腹部や頭部に深い傷を負った患者らが多数運び込まれた。手足の切断手術は数えきれないほどの回数に上った」と報告している。

反政府派のアレッポ地方評議会は、マレア地区で学校が空爆されたと発表した(23日付APF)ほか、人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によると、アレッポでは先月も、たる爆弾が居住地区や商業地区などで投下され、多数の民間人が犠牲になっている(23日付ロイター)。

シリアは、今年のノーベル平和賞を授賞した化学兵器禁止機関(OPCW)による国内の化学兵器の管理を受け入れ、6日に化学物質を注入して使用する砲弾やロケット弾の破壊を完了するなど、化学兵器の廃棄に協力的な姿勢を見せている。

しかし、本欄でも指摘してきたように、問題は兵器の種類ではなく、罪のない国民が殺され続けていることだ。このたび民間人も含めて多くの死傷者を出している「たる爆弾」は、化学兵器ではない。

シリア内戦に関しては、国連のナビ・ピレイ人権高等弁務官が2日、シリアのアサド大統領と側近たちが戦争犯罪と人道に対する罪に関与したことを示す証拠を入手したと発表した。国連が実施した33カ月に及ぶ調査により、「非常に重大な罪、戦争犯罪、人道に対する罪の証拠が大量に見つかった」「その証拠は、国家元首を含む政府の最高位に責任があることを示している」と述べている(3日付AFP)。

こうしたアサド大統領の本性は、今年9月に大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁がアサド大統領の守護霊を呼び出して本心を探ったとき、すでに明らかになっていた。

アサド大統領の守護霊は、化学兵器を使ったことを認めた上で、それを手放すのかという問いに対して、「そのあと、また簡単に作れるからね」と答えたほか、「彼ら(国民)には、幸福は必要ない!」「我々には国民を殺す力があるのだ」と述べるなど、10万人以上の自国民を殺したことに対してまったく罪悪感がなかった。

アサド大統領の化学兵器廃棄への協力姿勢は、政権存続のための見せかけの態度にすぎない。シリア人権監視団の発表によれば、シリア内戦での死者は今月1日時点で12万5835人となった。「悪魔」の暴挙をこれ以上続けさせてはならない。(紘)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『アサド大統領のスピリチュアル・メッセージ』 大川隆法著

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