2013年12月号記事
The Mission of University
大学の使命
なぜ、新しい学問の創造が必要なのか
contents
part4
科学と宗教の融合で人類の危機を克服する「未来産業学」
人類100億人時代を目の前にして、食糧やエネルギーの危機が現実味を帯びています。その中で、宗教と科学を融合した「未来科学」で、人類の危機を解決するのが未来産業学です。
100年以内に人類の成長は限界を迎える──。1972年にローマ・クラブが『成長の限界』で警告して以来、人口増加や環境汚染で文明が崩壊するという意見は後を絶ちません。
70億人を超えた地球の人口が、今世紀中に100億を突破すると予想される中で、食糧やエネルギー不足の危機が現実のものとなろうとしています。
このまま人口が100億人に迫れば、世界でブラジル1国分以上の農地がさらに必要になると言われます。農地は不足し、世界は飢餓に苦しみます。石油や石炭もいずれ枯渇するでしょう。次世代のエネルギーとして期待される原子力発電も、福島の原発事故を機に、稼働を停止する国が出てきました。人口増加に加えて途上国が近代化を図れば、エネルギー不足は深刻化します。
このままでは、貧困層が拡大し、新たなオイルショックも起きかねません。食糧や資源の奪い合いが始まって、紛争が絶えない殺伐とした世界になる恐れすらあります。
そこで近年、科学技術の力でこの問題を乗り越えようとする動きが始まっています。