2013年12月号記事
The Liberty Opinion 2
OPCWへのノーベル平和賞はまるで「アサド支持」
2013年のノーベル平和賞に、国際機関「化学兵器禁止機関(OPCW)」が選ばれた。
ノルウェーのノーベル賞委員会は10月11日に発表した授賞理由を、「化学兵器廃絶のために幅広い努力を続けているOPCWに賞を与える。そのことでノーベル賞委員会も化学兵器の廃絶に貢献したい」とした。
世界中で化学兵器の開発、生産、保有を禁止するための監視・査察活動を行うOPCWの活動が重要であることは、誰の目にも明らかだ。
しかし今回の授賞は、シリアのアサド政権が化学兵器で1400人以上の自国民を殺害した後、OPCWがシリアへ査察に入ったタイミング。 「化学兵器」にスポットを当てることで、「アサド政権が化学兵器さえ廃棄すれば、その他の問題は不問にする」という誤ったメッセージを、世界に発信した恐れがある。