女優の佳那晃子(かな・あきこ)さん(57歳)が、脳死宣告から回復したとの報道を受け、ネット上などで脳死臓器移植への疑問や不安の声があがっている。
報道によると、映画「四季・奈津子」や「極道の妻たち」で知られる佳那さんは、1月10日の夜、静岡県熱海市内の自宅で突然倒れて病院に緊急搬送され、翌11日に約10時間に及ぶ大手術を受けた。
医師からは、最も重い重度5のくも膜下出血と診断されて「脳死」の宣告を受けたが、その後、懸命な治療が続けられ、6月には同県内のリハビリ病院に転院した。倒れてから7カ月後の8月には手足が動くほどまで回復。生命の危機からは脱し、まだ話はできないもののリハビリ生活を送っているという。
この報道に対し、ネット上では、佳那さんへの応援メッセージのほか、「前のめりで臓器移植を進めようとしている連中はどう思うのだろう?」「こういう人もいるんだね。最後まであきらめちゃいけないね」など、脳死臓器移植への疑問の声が出ている。また一方、「初見で脳死か植物状態と診断されたのなら、脳死宣告とはいえない」など、報道が誤解を招いているとの意見もある。
日本では、臓器移植を前提として脳死を判定するための基準が法律で定められている。その意味では、佳那さんは法律的に脳死と判定されたわけではない。
ただ、臓器移植を前提として(すなわち「死」を前提として)、「脳死」を判定するというのも変な話だが、それだけではなく、脳死や植物状態に陥っている人は、自発的にではないかもしれないが呼吸もしており、心臓も動いている。脳死の状態で21年間生き続けた例や、脳死と判定された人にメスを入れた際、急激に血圧が上昇した例もあり、脳死を人の死とするには問題が多い。
厚生労働省は「脳死と判定を受けてから回復したケースは把握していない」という立場だが、臓器移植を前提として脳死を判定した場合、直後に臓器の摘出が行われるため、回復できるはずがない。
脳死は人の死ではない。
霊的な真実は、「人間の死の瞬間とは、その魂が肉体を離れ、魂と肉体をつなぐ霊子線(シルバー・コード)が切れるときなのです。魂が肉体を離れるには、心臓が止まってから、普通、数時間から、丸一日はかかります」(『黄金の法』大川隆法著・幸福の科学出版刊)と説かれている。
ということは、「心臓が止まってから数時間」どころか、心臓が動いている状態で臓器を取り出された場合、魂は生きたまま体を切り裂かれる恐怖を味わうことになる。これではスムーズにあの世へ旅立つことは難しくなる。
臓器移植を待つ人たちを助けたいという気持ちも尊いが、こうした霊的真実を知らないままに命を助けても、一方で死後苦しむ人を増やすことになる。基本的人権のなかには、「安らかにあの世に旅立つ権利」も含むべきではないだろうか。(紘)
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