東京などの町工場5社が中心となって開発したオール国産の深海無人探査機「江戸っ子1号」が22日、千葉県房総沖の海底8000メートルを探査する。21日付東京新聞夕刊が報じた。

「江戸っ子1号」は海底の泥を採取して資源の有無を調査し、搭載した3Dカメラで魚などを撮影することができる。本体は、1.7メートルのアルミの枠に、直径33センチメートルの耐圧ガラス球を3つ固定している。

このガラス球の中にカメラや照明などを搭載。重さは50キログラムで、重りをつけることで海面下8000メートルまで自重で沈み、調査後は重りを外して浮き上がる。回収する際はGPS機能を使って自身の位置情報を支援船に発信して、回収してもらう。

「江戸っ子1号」の開発には中小企業の技術を集め、また海洋研究開発機構の助言を受けて機能を集中させることで、開発費を2000万円に抑えることができた。実用化されれば、一台数百万円と安価になるという。

これまで深海探査は、国が中心となって進めており、無人探査機「かいこう」は海底1万メートルでの調査が可能だが、開発費は54億円もかかっている。2500メートルでの探査が可能な海外の探査機も一台4億円と高価で、民間には手が出なかった。

深海市場は近年、メタンハイドレートやレアメタルなどの発見が相次ぎ、活気づき始めている。探査機が安くなれば参入障壁は下がるし、海外に売り込むこともできる。

町工場の活躍で深海資源の開発が加速することを期待したい。(居)

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