"悲願"だった2020年夏季五輪の開催が決定し、早くも準備に動き出している。
11日には安倍晋三首相と猪瀬直樹・東京都知事が会談し、五輪成功に向けて政府と都が一丸で取り組む方針を確認した。政府は2020年東京五輪・パラリンピック担当相を、都は大会実施準備会議を新設する方針だ。また、五輪に向けて、都内の観光案内標識を現行の日本語・英語・中国語・韓国語に加えて、将来的にはアラビア語やフランス語などを含めた多言語表記を推進するという。
米倉弘昌・経団連会長は9日の記者会見で、2020年東京五輪の開催に合わせて、リニア中央新幹線の開業を希望。「(2020年ごろは)デフレ脱却や東日本大震災からの復興が完了しつつあると思う。五輪開催で成長の加速ができるのではないか」と述べた。山田佳臣・JR東海社長は、リニア中央新幹線の開通は2020年に間に合わないとの見方を示しているが、1964年東京五輪にあわせて東海道新幹線を開通し、日本の経済成長の起爆剤となったことを思い起こせば、国の後押しによって、今回の五輪までのリニア開催も実現したいものだ。
成長への期待が高まる一方、2020年夏季東京五輪への"ネガティブ・キャンペーン"が、あろうことか国内で展開されている。
11日付東京新聞は、「1964年は高度成長期で国として伸び盛りだった」「現在は、GDP成長率は10%前後から2%に低下、高齢化率は6%から23%に増加し、成熟社会でインフラは整備されている」「56年前と状況が違うのに、大型公共事業に多額の税金をつぎ込む意味はあるのか」などと、2020年に向けて更なるインフラ投資は不要であるとの立場だ。
さらに、「東京ばかりに投資が集中し、五輪が逆に、東日本大震災の復興を遅らせるのではないか」と不安をあおっている。
このネガティブ・キャンペーンには、二つの間違いがある。ひとつは、日本は成熟社会で、経済成長はできないという点、ふたつ目は、東京に投資したら復興が遅れるというパイの取り合い的発想をしている点だ。
8日付本欄でも紹介したが、東京はすでに世界最大の都市である。しかし、ラッシュ時の満員電車、幹線道路の慢性的渋滞などで、その潜在力を発揮できないでいる。まさに56年前とは違う状況において、新たなインフラ整備が求められているのだ。
現在、五輪招致を契機に、都心直結鉄道などの鉄道網の改革、首都高速の地下化や整備が検討されているが、これにより人口集中が生じ、新しいビジネスや富が創出されることになるだろう。
こうして東京が繁栄することは、結果的に日本全体の繁栄にもつながる。
『史上最強の都市国家ニッポン』(幸福の科学出版刊)において、増田悦佐氏は「人口の大都市圏への移動と実質経済成長率は、きれいに相関している。大都市圏への人口移動が盛んであればあるほど、GDP成長率が高くなっている」と指摘している。
2020年夏季東京五輪に対する"ネガティブ・キャンペーン"は、「これ以上の発展は望まない」という風潮に起因しているが、東京五輪の開催を機に、日本はまだまだ「繁栄できる」ことを実証していく必要がある。何よりも、五輪開催は夢がある。夢が明るいビジョンを生み、経済を活性化させる。人々の夢を壊すような記事は、それ自体が繁栄の阻害要因であることを知るべきだ。(飯)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『繁栄思考』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1
幸福の科学出版 『夢のある国へ――幸福維新』 大川隆法著
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