コンビニや飲食店の従業員による悪ふざけ写真ネット投稿が止まらない。ローソンやバーガーキングに続き、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスも3日、新潟近江店(新潟市)で20代の男性社員が冷蔵庫の中に入っている姿を撮影し、画像をインターネット上に公開していたと発表した。

この背景には、モラルの低下や、ネット投稿サイトに投稿したらどうなるかという想像力の欠如など、改善すべき問題が山のようにある。

しかし一方、店側の対応は「さすが日本!」といえるものが多い。

従業員がアイスクリームケースの中に入った写真が投稿されたローソン高知鴨部店は、直ちにアイスクリーム商品およびアイスクリームケースを撤去。従業員を解雇しただけではなく、本社は同店のフランチャイズ契約も解約した。

また、客によってソースとマヨネーズの容器の出し口を鼻の中に入れた画像が投稿されたお好み焼き店の道とん堀は、即日、すべての調味料容器の洗浄を全店に徹底するとともに、一度客に提供したソースとマヨネーズの調味料容器のフタは、必ず洗浄してから提供することを決めた。

これが普通だ、と日本人なら思うかもしれないが、世界に目を転じると違って見えてくる。

アメリカでもハンバーガーチェーンのウェンディーズのアルバイトが、アイスクリームのサーバーに直接口をつけてアイスクリームを食べている写真や、タコスチェーンのタコベルのアルバイトが積み上げたタコス生地を舌で舐め上げようとしている写真がアップされるなど、日本と同じようなことが起きている。もちろんアルバイトは解雇されたようだが、店を閉めたり機材を撤去するなどの徹底した対応をしている様子はない。

また、2007年末から2008年にかけて世間を騒がせた「中国製ギョウザ中毒事件」をめぐる中国の対応も、日本では考えられないレベルだ。中国で製造され、原因薬物が日本で使用されているものと比べ、不純物が多く含まれるなど、中国での混入可能性が高い証拠が揃っているにもかかわらず、ろくな調査もせず、「中国で混入した可能性は低い」とシラを切り通した。2010年になって、ようやく毒物を混入したという容疑者が拘束されたと報じられたが、このような中国の姿勢を思い起こせば、日本の飲食業界の対応がいかに優れているかがよくわかる。

徹底して顧客の立場に立った対応が「普通」に見える文化が日本にはある。これが日本企業の信頼を築き、発展を支えた原動力と言えるだろう。悪ふざけをしてしまった若者たちも、会社側の対応に日本のすごさを学び、将来、信頼される日本企業を支える人材となることを期待したい。(紘)

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