「護衛艦の名を借りた日本の准空母に対抗し、中国は本物の空母を発展させるしかない」
中国共産党機関紙の環球時報は7日付の社説でこのように述べた。「日本の准空母」とは、6日に命名・進水式を迎えた、ヘリコプターを搭載できる海上自衛隊の護衛艦「いずも」のことだ。「ヘリ空母」とも言われる「いずも」は改造次第で本物の空母にもなりうることは本欄でも指摘したが、中国各紙は「改造すれば戦闘機の搭載も可能だ」「准空母だ」と警戒感を強めている。
しかし、本当の目的を隠すために軍事以外の何かの"名を借りて"、様々な軍事行動を行っているのは中国の方だ。
中国は今世紀に入ってから、西太平洋の日本の排他的経済水域で、「科学的調査」と称して、緻密な海底調査をしているが、中国軍事専門家の平松茂雄氏によれば、この調査は潜水艦を展開するための下調べだったという(『実践・私の中国分析』)。2009年には中国の艦隊が沖ノ鳥島周辺で演習を行うまでになったが、海底調査の成果なのか、こうした演習の中には潜水艦が同行するものもあるという。「科学的調査」の"名を借りて"、中国は太平洋進出の布石を着々と打っていたわけだ。
空でも、中国は今年5月に「高空の観測試験のための実験」と称してロケットの発射実験を行った。このロケットについても、米国防総省周辺では「アメリカの衛星を打ち落とすための衛星攻撃実験だ」という見方が広がっている。
さまざまな"名を借りて"軍事力増強を続ける中国の軍事費は、10年間で2.7倍になり、2012年には日本の防衛予算の3倍にもなっている。この軍事的脅威に対処するため、環球時報の言葉を借りれば、日本こそ「本物の空母」あるいは「本物の防衛力」を発展させるしかない。(居)
【関連書籍】
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