2013年6月号記事
第13回
釈量子の志士奮迅
世の中は変えられる!
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年東京都生まれ。國学院大學文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。
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私の曽祖父は、1904(明治37)年9月、日露戦争の激戦で知られる二〇三高地で亡くなりました。戦った日本陸軍歩兵第22連隊は、「伊予の肉弾連隊」と畏怖された精鋭だったそうですが、曽祖父は、翌年1月1日の旅順の陥落も、2カ月後に故郷で生まれた子供(祖父)の顔も見ることもなく、28歳で帰らぬ人となりました。
実は、これを知ったのは最近のことで、正月に実家に帰った時、古い位牌の裏の年月日を見て父に聞いたことです。「一人息子と泣いてはすまぬ、二人なくした方もある」――当時、家族を失った人々が息子二人を戦いで亡くした乃木将軍に思いを馳せたとされるこの歌は、『坂の上の雲』などで知ってはいましたが、現代の私にまでつながるご先祖がどんな気持ちで耐え抜いたのだろうかと思うと、切ない気持ちと同時に、誇らしく思えてきます。
日露戦争といえば、東郷平八郎や秋山真之といった英雄が有名です。しかし名前は残さずとも、家族とこの日本の国を守るべく戦ってくださった、すべての先人たちの尊さは、時代を超えて静かに私たちの心に染みてきます。ありがとうございますと、心から祈りたい気持ちです。
時代をつないでいく使命を果たす
そして今、日本は再び当時の列強にも等しい軍事国家による脅威にさらされています。事実上の核保有国となった北朝鮮は、数年後には米国に届く長距離弾道弾の開発に成功してしまうでしょう。中国は昨年、いよいよ第二列島線を突破して、ハワイやグアム沖での情報収集活動を始めました。2007年に訪中した米太平洋軍キーティング司令官が、中国高官に「太平洋を分割し、ハワイより東は米軍、西を中国海軍が管理しよう」と持ちかけられたとの証言は、やっぱり本音だったということです。となると、中国は間もなく潜水艦から米本土を射程に収めたSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を配備すると見え、空母保有の意図は世界制覇であることも、はっきりしてきました。
米国がこれまで通り世界のスーパーパワーでいられるかどうか、世界は固唾をのんで見ていますが、オバマ大統領の米国が後退していく可能性は極めて高いと言えます。
先人たちが命にかえてこの国を守ってくださったように、私たちもまた、日本を守り抜き、時代をつないでいく使命を果たしていかねばなりません。戦争は絶対に起こしてはなりませんが、国を守る力がなければ、中国の周辺国のように切り取られ自治区にされていくのが現実です。世界の宝であるこの日本を未来永劫残すために、私たちは立ち上がらなければなりません。