来日中のメキシコ・ペニャニエト大統領が8日、安倍晋三首相と会談した。大統領は、日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加することを支持すると表明した。交渉参加国の中で日本の交渉参加に賛成したのはメキシコが7番目だったが、首脳自ら賛成を表明したのは初めてだった。

メキシコは伝統的に親日国で、ペニャニエト大統領自身が親日派である。会談では、支倉常長慶長遣欧使節団が日本を出発し、メキシコに上陸して400周年にあたる2013年~14年を「日メキシコ交流年」とすることで一致。学術・教育・科学技術・医療分野などでの交流を促進する。今後、日墨(墨:メキシコの略)関係を一層深めていくきっかけとなることだろう。

メキシコと日本との経済的つながりは強い。両国は2005年に経済連携協定(EPA)を発効している。メキシコでさかんな自動車製造業には、ホンダやマツダなど日本の自動車メーカーも工場進出している。人口1億人規模の同国は、新たな消費市場として日本企業の注目を集めているのだ。

また、首脳会談ではエネルギー開発でも協力する方針を確認した。特に、メキシコ沖の深海油田開発やシェールガス開発のため、日本の技術協力や投資が期待されている。日本にとっても、有事に備えてエネルギーの輸入先を多角化できるという意味で、安全保障上のメリットがあるのだ。

さらに、両国は政治・外交面でも共通認識を持っている。両首脳は会談で、「海洋秩序が国際法にのっとって維持されることの重要性」を確認し、太平洋へと軍事的覇権を広げようとしている中国を牽制した。北朝鮮問題に対しても両首脳は「これ以上のいかなる挑発行為も自制し、国連安保理決議と6カ国協議共同声明を完全に順守すること」を求めた。

会談後の記者会見で、ペニャニエト大統領は「日本からの投資が強まることで、メキシコの雇用が拡大すると確信している」と話し、安倍首相は「安倍政権の環太平洋外交を本格的に展開する第一歩」と表明した。TPPが、環太平洋圏の国々の経済発展を促しながら、中国締め出しを基本とした外交のための協定でもあることが分かる発言だ。

9日には、日本のTPP参加に関して全加盟国が賛成する見通しとなった。TPP交渉参加を確実に進めながら、日本人が普段意識していない親日国とのつながりも強めていくことが大切だ。この流れのなかで、日本は今後、「自由」や「民主主義」といった価値観を世界に広める先鋒に立っていくべきである。(晴)

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