山口大と愛媛大、東京大のグループは2日、三重県伊勢市で、レアアースを含んだ新種の鉱物を発見したと発表した。
見つかった鉱物は、レアアースのランタンとレアメタルのバナジウム。今年3月1日に国際鉱物学連合に承認され、「ランタンバナジウム褐簾(かつれん)石」と名付けられた。
レアアースとは、元素周期表のうち、ランタノイド系列に属する元素のことをいう。レアアースなしでは、LEDや自動車用排気ガス浄化触媒など、日本が得意とする工業製品を製造することはできない。日本は輸入の多くを中国に頼っており、反日運動の高まりとともに輸出制限をかけてきた。
最近では南鳥島沖で大量のレアアースが発見されるなど、喜ばしいニュースがあったが、それと同時に「南鳥島は中国領土」という声が中国で上がり始めた。これに対し、日本は絶対に譲ってはならないし、早急に採掘の準備を始めなければならない。
レアアースは他の物質で代用することができない。一時期、代替できる技術が発見されたと報道されたが、代替できたとしてもレアアースを使った製品より性能が落ちる。
また、レアアースは軍事的にも非常に重要だ。陸海空問わず、兵器の主要部品には大量のレアアースが使われているからだ。日本に対して敵意を向けている中国からレアアースを輸入することは、国防の部分を握られていることと同じだ。アメリカでは、レアアースの輸入を中国に頼りすぎないように新たな供給源を探すべきだとの報告書が国防総省に提出された。
最近では三重県沖で大量のメタンハイドレードが、南鳥島で高濃度レアアースが確認されるなど天からの贈り物とも言える出来事が数多く起こっている。レアアースなどの採掘には、日本全体で協力していかなければならない。採掘したレアアースなどは、何倍もの価値を持つ製品に変わる。最近沈みっぱなしの日本の得意分野を、復活させるチャンスだ。(悠)
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2012年6月29日付本欄 日本のEEZ内で初 レアアース鉱床発見の朗報