北朝鮮は12日午前、3回目の核実験を行った。

北朝鮮北部を震源とするM5.1の人工的な地震を日本やアメリカ、韓国などが観測した。北朝鮮は11日、アメリカおよび中国に対し核実験の実施を通達していたという。核実験は3回成功したら核兵器を小型化できると言われており、日米韓の緊張が高まっている。

今回の核実験は2006年、2009年に続く3回目。北朝鮮はこれまで2回とも、ミサイル発射実験後1~3カ月後に核実験を行っていたが、今回も2012年12月のミサイル発射実験後、2カ月で核実験を行った。

朝鮮中央通信は12日、「(3回目の核実験は)米国の暴悪非道な敵対行為に対処して国の安全と自主権を守るための実際の対応措置として行われた」「以前とは違って爆発力が大きいながらも小型化、軽量化した原子爆弾」と報じている。

発表通りに小型化に成功し、ミサイルに搭載できることになれば、2012年12月に発射実験に成功した射程1万km超の長距離弾道ミサイルと合わせ、アメリカ本土に届く核ミサイルを北朝鮮が持つことになる。

今回は核兵器の材料が異なるのではという見方もある。北朝鮮はこれまでの地下核実験で、プルトニウム型の核爆弾を用いたとされるが、今回は濃縮ウラン型ではないかという観測だ。北朝鮮に豊富に存在するウランの濃縮に成功した場合、北朝鮮は原料の調達がしやすくなる。

専門家によると、地下核実験で出た放射性物質が群馬県にある観測所に届き、その分析結果が出るまで数日かかるという。前回2回は、放射性物質が微量のため、どの観測所でも確認できなかった。

この実験に対し、安倍晋三首相は「北朝鮮に対し独自の制裁も含めて有効なあらゆる手段を用いて対応する」と発言。国連安保理は日本時間で12日午後11時に緊急会合を行う予定だ。

北朝鮮による核ミサイルは当然、日本も射程内に入る。いよいよ日本も核武装を具体的に議論しなければならない時が来たのではないか。(居)

【関連記事】

2013年2月10日付本欄 【そもそも解説】原爆の種類 北朝鮮の核実験によりパワーバランスが変化する?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5589

2013年1月27日付本欄 北朝鮮のミサイル ほぼ独自技術でアメリカ本土にも届く

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5539