敦賀原発の断層を調査する原子力規制委員会の調査団。写真:時事
2012年2月号記事
地震予知は役立たず
原発の敷地内に活断層が存在する恐れがあるとして、原子力規制委員会が6つの原発を調査中だ。敦賀原発(福井県)は活断層があると判断され、廃炉の可能性がある。また東通原発(青森県)でも活断層が存在する可能性が濃厚になっている。
だが2005年の福岡沖地震や07年の新潟県中越沖地震など、 大地震は活断層と関係ない場所で起きており、逆に地震後に新たな断層が見つかることも多い。活断層から地震の可能性を論じる地震学は役に立っていない。
大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は12月13日、横浜市内での街頭演説で「断層ができたということは、これから動くということじゃないんです。断層というのは、どこにでもできるんです」と述べている。
断層は地層のずれで生まれるもので、地震の原因というよりむしろ結果として生じるものではないか。ずれた地層は再び動く恐れがあると言っても、可能性を議論するのは不毛な話だ。
実際に、地震予知計画が日本で始まって以来、予知に成功したケースはない。東日本大震災も阪神大震災も、ほとんどノーマークだった場所で起きている。
予知に失敗し続けてきた地震学は、起きるか分からない地震の危険性をことさらに煽り、予想を外した時の逃げ道をつくっている。その言い逃れに利用されているのが活断層なのだ。