公開霊言対談抜粋レポート
「幸福実現革命―自由の風の吹かせ方―」
2012年11月16日収録
3年余りの間に経済・外交をボロボロにし、「日本解体」への流れをつくった民主党。片や、バブル“崩壊"と長期不況を招き、アメリカ依存の国防体制で国難の下地をつくった自民党。来たる衆院選は、機能不全の二大政党にNOを突きつける時だ。11月14日、大川隆法・幸福実現党創始者兼名誉総裁と対談した、加藤文康・同党研修局長は、次の選挙が日本の存亡をかける「ファイナル・ジャッジメント(最後の審判)」だと熱く語った。
以下は、その抜粋レポートである。なお本対談は、全国の幸福の科学の支部・精舎、拠点で拝聴会を開催中。対談を収めた書籍は、近日発刊予定。
本記事は本対談のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください。
(下記参照)
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幸福実現党 研修局長
(かとう・ぶんこう)1962年生まれ。東京都出身。東京大学卒業後、NTT、神奈川県庁勤務を経て、幸福の科学グループに奉職し、専務理事などを歴任。党の立党時から参加し、幹事長代理などを経て、2012年2月より現職。
東大先輩・後輩談義 母校の「理性信仰」とマルキシズム
大川隆法名誉総裁 (以下、 大川 ) 私と加藤さんは、いちおう大学の先輩後輩の関係なんですが、いやあ、やっぱり、学風がちょっと悪うございましたかね。
加藤文康 (以下、 加藤 ) ただ、やはり、「天下国家」と申しますか、「この国のために」という志を持った人間が多かったのも事実だと思います。でも時代が変わり、流行らなくなってきたのかもしれませんね。
大川 実際は、国の舵取りがうまくいかなくなったがゆえに、「天下国家」を別のかたちで言う左翼の「マルキシズム」みたいなものが、何度も何度も盛り返して上がってくるんですよね。あのマルキシズムというのは、下から見た、別の意味での「天下国家」なんですね。
加藤 あそこまで左翼思想が根強かったとは……。ほとんどすべての授業が、左翼思想に基づいていることが、実際に在学していたときには分かりませんでした。
大川 やはり、「理性信仰」なんだと思うんです。フランス革命以降の理性信仰があって、「賢いインテリが、きっちりと計画を立てて国家の政治・経済を行ったら、みな、うまく行く」という考えがあるんですね。
加藤 輩出されてくる人材の質を見ると、やはり、抜本的に大学の組織やあり方を考え直さなければいけないときに来ていると思います。
日本経済の問題には自民党にも非がある
加藤 バブル崩壊後の停滞を見るかぎり、やはり、日本の国を抜本的に変えなければいけないときが来ていたということなのでしょうか。1989年ごろ、中国のGDPは、ちょうど東京都と同じぐらいでした。それが、中国が猛烈な経済成長を続ける間、日本はまったく成長せず、あげくに株価は四分の一になり、気がつくと経済規模で逆転されてしまいました。
大川 「バブル潰し」の間違いを認めたら、実は、マスコミが崩壊するんですよ。マスコミだけでなく、要するに、バブル潰しを支持したのは、国民でもあるから、実は、民主主義の崩壊にまでつながっていくおそれが、実際はあるのではないかと思いますね。
加藤 私ども幸福実現党といたしましては、民主党政権の三年間の失政については、「これはひどいものだった」と思っていますが、やはり、「自民党についても、過去、二十数年間の問題はけっこうある」ということを、訴えていかなければいけないと思っております。
原発反対のために、「CO2削減」を誰も言わなくなった不思議
大川 日本の危ないところは何かと言うと、全部が一緒になって、一斉にウワーッと動くことです。この前のCO2排出削減もそうです。「地球温暖化対策こそが大事だ」と言っていたのに、今ではもう、CO2排出削減なんて誰も言っていません。ただ、「原発をやめる」ということは、「CO2が増える」ということなんですよ。
加藤 これは信じられないことです。同じ民主党政権でありながら、「CO2削減」を掲げつつ、その一年数カ月後に、今度は「原発廃止」というかたちで、結果的にCO2を排出する流れになるという、この点は、もっと問題提起をしなければいけないことです。
習近平は「最後の皇帝」になるか?
大川 文明のレベルとして見ると、中国には、まだ“明治維新"が起きていませんからね。今、「共産党一党独裁」というかたちになっているわけだけれども、一握りの共産党幹部がまとめているだけなので、これは、昔、専制君主が農民ばかりを治めていたような時代と、実際は変わらないんですよ。
加藤 習近平体制が新たに発足して、もちろん、彼にはそうとうな力量があるとは感じておりますけれども、一方で、中国の抱えている社会的な矛盾とかが限界に来ている面も、感じます。
大川 これは、「アジア制覇」をするか、それとも「最後の皇帝」になるか、本当に賭けみたいなものですよ。今の中国の矛盾を見たら、彼の今の考え方で行くと、内部からの反乱で崩壊する可能性も十分にありますよ。
尖閣周辺で日本の漁船を脅かす中国船
加藤 「実際に国防の最前線というものを肌で感じたい」と思い、10月に(尖閣に)行ったんです。あの豊かな漁場に日本の漁船が1隻もいないというか、そこにほとんど行けない状況になっていることに、今回、非常に驚きを感じました。中国の「海監(海洋監視船)」が、私が行ったときも、4隻ほど、島の東西南北に居座っていて……。
大川 毎日のように来て、しつこいんですよねえ。あのしつこさは、ストーカーですよ。フィリピンの島は、あのやり方で取られましたからね。
加藤 昼ごろ、急に海上保安庁の船がこちらに向かってきまして、「中国の海監が、私たちの船のほうに全速力で向かってきている」と言うんですよ。日本の漁船が来ると、中国側は、そのたびに脅かして追い出すようなことをしているんです。日本の領海でありながら、ほとんど、もう占拠されているような感覚がありました。海上保安庁の現場のみなさんは、数多い制約のなか、また失礼ながら貧弱な装備で、本当によく頑張っておられました。
大川 いやあ、かわいそうですよ。やっぱり、トップ一人の問題です。「国のトップの肚が据わっているかどうか」の問題ですよ。
加藤 「ここ一番」のときに、自衛隊法に基づく防衛出動が本当にできるかどうか、ここにかかっていると思います。
大川 漁船だって武装している可能性があるので、もう信用なりませんね。
加藤 やはり、自衛隊の防衛出動のタイミングが、もう迫ってきていると思います。
「自由」の反対は「大きな政府」
大川 「自由の風の吹かせ方」ですが、結局、「自由」に対置される概念は、意外に、同じような言葉ではなくて、「大きな政府」なんですよ。「大きな政府」の問題点は、効率が悪いことです。目が届かないのに、自分たちで何でもやりたがるため、結局、無駄がたくさん発生して、国民に負担をかけています。これも、「空気」だから、どうしようもありません。
加藤 現代国家は、どうしても巨大な「福祉国家」になりがちです。この点については気をつけないといけないと思います。
大川 一見、善なんですよ。「福祉」を掲げて、それに反対できる人はいないんです。一見、善なんです。
しかし、これだと、誰かにツケが回ってくるんですよね。どこからともなく、お金が無限に降ってくるわけではありませんからね。
加藤 この国に、いま一度、健全な「自助努力の精神」を取り戻すとともに、「国が面倒を見るのではなく、個人や家庭単位で、しっかり生活していく自立した健全な社会」をつくっていかなければいけないと、心から思っています。
中国の理屈は「オウムと一緒」
加藤 尖閣の話に戻りますが、中国と紛争があった場合に何が起きるかというと、中国大陸にいる数多くの日本人が、実質的に“人質"になっており、いろいろな口実で逮捕されると思います。また、日系企業も接収されるおそれがあります。そうなったら「そんなことをされるぐらいなら、島の一つぐらいあげてしまいましょうよ」という声が必ず出てくると思います。
大川 マスコミの弱腰姿勢から見ると、朝日新聞なんかは、率先して、そういう社説を書いて、第一面に持ってきそうです。もう、すでに、それに近いようなことを書いていますからね。
加藤 しかし、それが、「日本の終わりの始まり」になる危機感を強く感じます。
大川 ラオスでの首脳会談(アジア欧州会合)で露わになった中国の考え方はすごいですね。あれは、オウム教とほとんど変わらないですよ。オウム教は、自分たちが、人を連れ去って殺したり、サリンを撒いたりしておきながら、「われわれは被害者です。米軍が毒ガス攻撃をしているのです」と言っていたんですよ。あの思考回路に、実によく似ています。「われわれは被害者だ」という思考回路や言論術は、中国だけでなく、朝鮮半島の国々にも少しありますが、これを破らないといけませんね。
加藤 やはり、日本の国全体に、「自分の国は自分で守る。どんなことがあっても領土は守り抜く」という意識を強めていかないことには、取り返しのつかない危機が近づいてくる感じがしてなりません。
大川 習近平はけっこう怖いですよ。3年前、国家副主席のとき、天皇陛下との対談をごり押ししてきましたが、あれに性格が出ていると見たほうがいいですね。つまり、ある意味での強引さと、「自分が手に入れたいと思うものは逃がさない」という強欲さを持っているわけです。問題は、「尖閣諸島が軍事的にパッと押さえられてしまった場合、日本は本当に反撃できるかどうか」ですよ。今のままだと、「アメリカの判断を仰ぎます」という感じになりかねないですね。私には、「安倍さんは本当に戦えるのだろうか」という気持ちも少しだけあります。本当の修羅場に当たったときに、やれるのか」ということです。
戦後日本の「精神棒」を入れ替えるための革命
加藤 立党から3年たちましたが、その間の歩みを振り返ってみて、改めて、「この国の国難を救うのは、やはり、神仏を敬う国づくりなのだ」と、宗教政党の重要さが腑に落ちました。国難を救うためには、もちろん、地上の人間の努力も必要ですが、それだけではもはや非常に厳しい状況に来ているため、大いなる天上界のご加護を賜れる宗教政党が必要だと思うんです。
大川 戦後の教育界から政界、マスコミ界、すべてに広まる「宗教=悪」というイメージを変えるために、あえて、「宗教政党」を看板に掲げて戦っているわけです。これは、日本の国体としての“精神棒"を入れ替えることでもあります。すなわち、マッカーサーによって抜かれ、偽物が差し込まれていた日本の“精神棒"を、今、すべて入れ替えようとしているわけです。「これは一種の革命なんだ」と思わないといけないでしょうね。
加藤 未曾有の危機のなか、「やはり、自分たちは、根本的に間違っていたのではないか」と気づき、日本人全体が大いなるものに対して謙虚に心を開くべきときが、これからの五年、十年なのではないかと思います。
大川 恐れてはなりません。宗教家が身命を惜しんだら、何も変えられないと思いますね。不惜身命の生き方こそが、国民を自由にするための革命なんですよ。もし、2050年までに、日本が中国の“極東省"になるのであれば、大変なことです。そうなってから引っ繰り返すのは、簡単なことではありません。やはり、そこから逆算して考えたときに、「今、どうするか」と言えば、もう、戦うしかないんですよ。今から思想的に戦いを仕掛かけていくしかありません。
加藤 幸福実現党が活動を続けていることに対する世間の見方も、確実に変わってきていると思います。「それが"化学変化"を起こすときは近い」と、私は確信しています。