米陸軍の最新鋭の装甲車が参加して日米共同訓練がこのほど初めて日本で行われている。11月4日までの予定で先週26日にはその模様が一部公開された。訓練は10月24日から滋賀県高島市内のあいば野演習場で行われているもので、陸上自衛隊約600人、米陸軍約750人が参加。米陸軍のストライカー装甲車に日米の将兵が共に乗車し、市街戦訓練を展開した。

この装甲車部隊は、正式には「ストライカー旅団戦闘団」と呼ばれ、航空機や高速船で迅速に移動できる部隊として、1999年10月、当時の日系米国陸軍大将であったエリック・シンセキ氏がボスニア紛争の経験から着想し構想を発表。2003年5月に部隊が編成された。

この部隊は中型輸送機C-130ですべての装備を世界のあらゆる紛争地に96時間以内に展開が可能で、3個の歩兵大隊と1個の砲兵大隊及び騎兵大隊、そして後方部隊を基幹とする約4000人で編成されている。この旅団は空輸や高速船の輸送を最優先しているため、ストライカー旅団専用の戦闘重量17トンのストライカー装甲車が導入されている。現在は6個のストライカー旅団が米陸軍に配備されている。

11月上旬には自衛隊と在日米軍が沖縄本島近くの無人島・入砂島で離島奪還の共同演習を予定していたが、米兵の女性暴行事件などの影響で延期となった。この訓練は、航空機支援の下、陸上自衛隊と在沖縄海兵隊が上陸作戦を行うもので、「尖閣有事」を想定していた。滋賀県での今回の米陸軍との訓練もまた離島防衛や奪還を一部に想定したもので、これが実施されただけでも、日米連携した抑止力を示すことができたといえる。

陸上自衛隊は南西諸島を防衛する任務の重要性が高まっており、海兵隊化の議論も盛んになってきている。米兵の不祥事には厳しく対処しなければならないが、大局的には沖縄の守りをどう固めるかが、今の日本の最重要課題だ。(弥)

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