毎週金曜に「脱原発デモ」が行われている首相官邸前で25日、脱原発とは真逆の「政府に原発推進を求める集会」(主催:原発推進国民会議)が行われ、約1000人が原発の早期再稼働を求めた。

集会では、同会議の古山隆夫代表が「火力発電に用いる石油は輸入に頼らざるを得ない。原発を止めた場合の安全保障について十分に考えられていない」と訴え、協賛団体の立木秀学・幸福実現党党首は「脱原発で電気代が2倍になり、GDPにマイナスの影響がある」と主張した。

集まった約1000人の参加者は、「福島原発の放射線で亡くなった人はいません!」「脱原発は間違いです」「風力発電は風まかせです」などとシュプレヒコールをあげた。看板や横断幕には、「原発は日本経済に必要です!」や、「Halting nuclear energy will double your power bill!(原発を止めたら電気代が2倍になる)」といった英語による海外へのメッセージもあった。

その後、古山代表と幸福実現党の黒川白雲・政調会長は内閣府を訪れ、野田佳彦首相宛てに、(1)「脱原発」方針を撤回し、原子力発電を維持・推進すること、(2)安全性の確認された原子力発電については、早期再稼働を進めること、(3)核燃料サイクルを確立し、効率的なエネルギー供給策を実現すること、とする「政府に原子力発電の推進を求める要請書」を提出した。

黒川氏は「工場の経営者から、節電でパートさんの首を切らざるを得ないという声を聞いています。しかし、脱原発の報道が多いので、経営者もそれを言えない状況です」などと伝えた。内閣府の担当者は「いただいた要望書と、今おっしゃったことをしっかり総理に届けます」と答えたという。

野田政権は14日に「2030年代に原発稼働ゼロ」の政府戦略をまとめたものの、その後、閣議決定を見送るなど、原発をゼロにするかしないかで揺れている。しかし、同会議が主張するように、原発の代わりに期待されている再生可能エネルギーは、出力が不安定でコストが高いため産業界への負荷となる。また、火力発電への依存度が高まれば、化石燃料の輸入が日本の生命線となり、国際情勢の変化で日本が干上がる危険性が増大する。

脱原発を叫ぶ人々や、それを大々的に報じるマスコミは、こうした事実から目をそらしているが、いずれも日本の未来に対して無責任と言わざるを得ない。野田首相は、今回の「原発推進」の声に真摯に耳を傾けるべきであり、マスコミも脱原発運動と同じぐらいの扱いで報じ、その事実を国民に知らせるべきである。(居)

【関連記事】

2012年9月15日付本欄 脱原発デモに行ってみた 彼らの声で国家の舵取りをするのは危険だ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4863

2012年9月5日付本欄 「原発ゼロ」で家庭の光熱費が今の2倍に

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4827

公開霊言抜粋レポート 「日本人は虐殺されて罪を償うべき」 大江健三郎守護霊が力説 日本が滅びるべきだという理由

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4805