フェイスブックのタイムラインという自己紹介のページ上にこのほど、臓器移植の意思表示を共有できる機能が追加された。

この機能は今年5月に、アメリカ、イギリスで始まり、その後、南アフリカ、オーストラリア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ニュージーランド、コロンビア、ブラジル、アイルランド、スイスの10カ国に広がり、これまでに25万人が臓器提供者として登録している。

フェイスブックは膨大な数のユーザーを抱えていることを利用して、より簡単に臓器提供の意思表示ができるようになることを目指したものだが、実際、5月1日にフェイスブック上で意思表示ができると発表してから、アメリカのカリフォルニア州ではわずか半日で、ドナーのオンライン意思表示登録者数が800%増加したという。

だが、本誌が今まで指摘してきたように、脳死はあくまでも臓器移植を前提に法律的に作られた「死」であり、宗教的には本当の死ではない。

人間は肉体に魂が宿った存在であり、肉体と魂をつなぐ霊子線(シルバーコード)が切れた瞬間が人間の本当の死である。脳死状態で臓器を取り出すと、生体にメスを入れたような激痛と驚愕で臓器提供者は大変なショックを受け、安らかなあの世への旅立ちが妨げられてしまう。その結果、臓器提供者は「まだ死んでいない」と思い、移植された患者に憑依したり、提供された側に拒否反応が起きたりなどの「障り」が起こることもたびたびある(大川隆法著『永遠の生命の世界』参照)

アメリカの医学は進歩しているようで、こうした霊的真実をまったく踏まえてはいない。フェイスブック上で気軽に臓器提供の意思表示ができるということは、死の霊的真実を知らずに安易に臓器提供者になってしまうという危険をはらんでいる。また、個人情報を世界的に共有できるため、臓器売買など様々な犯罪を助長する可能性もある。たとえ善意からとはいえ、無知であるがゆえに、提供する側もされる側も両者が苦しむという後悔をしないために、正しい霊的知識を前提とした医学の普及が急がれる。(純)

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2011年6月号記事 脳死臓器移植を 美化すべきではない

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1858

2004年6月号記事 死んだらどうなる!?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=54

2010年10月20日 本web記事 脳死の人は、まだ死んでいない【動画】

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=42