世界最大のソーシャルネットワークであるフェイスブックは5月初め、会員が自分の自己紹介のページに臓器移植の意思表示ができる機能を設けたと発表した。臓器の提供を待つ患者に対して大幅に足りない臓器提供に一石を投じようとするものである。

このサービスは、今後、世界に広げていく予定ということで、日本に入ってくるのも時間の問題だ。

現在、日本では脳死状態の臓器移植は、2010年に改正臓器移植法が施行され、本人の意思が不明であっても家族の承諾があれば、臓器提供ができることになっている。アメリカに比べ、年間に2桁台と少ないものの増え続けてはいる。

しかし、医学はまだ脳死を明確に解明できていない。

宗教的に見れば、人間は肉体に霊が宿った存在であり、肉体と霊を結ぶ霊子線(シルバーコード)が切れた瞬間が本当の死である。それは通常、心停止の24時間後だ(大川隆法著『永遠の生命の世界』より)。脳死状態では人間はまだ死んではいないため、この時点で臓器を摘出すると、ドナーは大変な痛みと恐怖を覚える。

また、脳死に陥った妊婦が出産したり、4歳から21年半も脳死状態で生き続けたケースも報告されている。

仏教に「色心不二」という言葉があるとおり、死に関しては肉体と魂の両面から見る必要がある。単純にアメリカの後追いをするのではなく、死は宗教の領域でもあることを忘れてはならない。(純)

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2004年7月号記事 臓器移植大国 アメリカのジレンマ 「日本は今ならやめられる」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=185