米大統領選で共和党の公認獲得を目指していたサントラム元上院議員は10日、選挙戦からの撤退を表明した。2位候補の離脱により、これでロムニー前マサチューセッツ州知事の公認指名が事実上確定したことになる。
サントラム氏はまだロムニー氏への支持を表明していないが、CNN.comによれば両氏は近日中に会談を開くことで合意している模様。
本誌は両候補への守護霊インタビューを通じて、ロムニー氏がサントラム氏を副大統領候補に指名する密約があると明らかにしたが、今後の両候補の動きが注目される。
穏健派ロムニー氏と保守で知られるサントラム氏とのコンビは、補完し合える組み合わせだが、ネガティブ・キャンペーンになった選挙戦のあとで、お互いに感情の溝を埋められるかが課題となる。
公認候補の確定で、11月の本選挙に向けた選挙戦が、これで本格的にスタートすることになる。選挙戦の行方を占う上で、両候補が抱えている「爆弾」といえるのが、健康保険改革(オバマケア)についての最高裁審理だ。
オバマ政権が成立させた健康保険改革法では、全国民の健康保険加入が義務付けられたが、これが商行為の自由を侵害する憲法違反ではないかという訴訟が最高裁で審理されており、6月にも判決が下される。
違憲判決が出れば現政権にとって打撃だが、一方でオバマケアのモデルとなった保険制度を州知事時代に創設したのはロムニー氏であり、この判決が世論に及ぼす影響は選挙戦の大きな未知数の一つである。
11月の本選挙は、アメリカ国民にとって究極の選択をする場となるかもしれない。最高裁判決次第で、場合によっては、違憲制度に関わった候補者同士による異例の選挙戦となるからだ。
また、福祉予算で社会主義的な政策を行うオバマ氏か、ウォール街の金融業界を優遇するロムニー氏という選択肢は、どちらもアメリカに明るい未来をもたらすものではないだろう。
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2012年3月27日付本欄 【新聞読み比べ】オバマ政権の医療保険改革は憲法違反かどうか、審査始まる
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2012年4月号記事 オバマvs.ロムニー? いずれも米国の衰退は避けられない - 編集長コラム