1日付各紙が、野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁が極秘会談し、「話し合い解散」について意見交換したと報じた。

各紙によると、野田首相と谷垣氏は先月25日に極秘会談し、首相は自民が求める今国会中の衆院解散・総選挙に応じる代わりに、次期衆院選後は小沢一郎氏グループを排除して、自民と大連立か政界再編で連携するというシナリオで、「話し合い解散」について意見を交換したと見られる。

両氏は完全否定しているが、この極秘会談、十分あり得る話だろう。

「消費税増税」で一点突破をめざす野田首相にとって、最大の敵は自民ではなく、党内の反対派である小沢一派だ。自民は増税賛成が多いから、逆に組める。そこで自民と組んで増税法案を通した後、解散・総選挙に出て、「小沢外し」をした上で自民と連立政権を組む。そうすれば、粛々と増税を実施していくことができる。

とすれば、これは国民を無視した「増税翼賛会」であり、きわめて危険な流れである。

これに対し、マスコミも当初は「増税賛成」一色だったが、ここへ来て、だいぶ各紙のばらつきが目立ってきた。

さすがに密室談合的に手を組んで増税に持ち込むようでは、「国民無視」であり、マスコミもただ増税に賛成しているだけでは世論の支持を得られないと気づいてきたのだろう。

野田首相も谷垣総裁も、国民の意識の変化をつかんでいないようだ。彼らのめざす「社会保障と税の一体改革」が、社会保障という大義名分による国民からの収奪であり、政治家や官僚の権益や利得を増すだけの「まやかし」「詐欺」であることを、すでに多くの国民は気づいてきている。

話し合い解散に打って出ても、彼らの目論みは成功するまい。国民が政治家のウソを見抜いて「増税ノー」を突きつけ、増税賛成派を落とし、反対派を当選させればよい。そこから新たな政界再編が始まるだろう。(仁)

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