自民党が、第2次憲法改正原案をまとめたことを、28日付の各紙が報じている。
今回の草案は、2005年につくった草案を大幅に改定したもので、大規模災害やテロなどの緊急事態が発生した際に、首相の権限を一時的に強化する緊急事態条項を新たに設けるなどした。だが今回、注目したいのは、安全保障にかかわる「九条」と「政教分離規定」についてだ。
自民党の原案では、現行の九条の「戦争放棄」は維持したまま、集団的自衛権の行使を念頭に「自衛権の発動を妨げるものではない」という条文を追加。自衛権を明記するとした。
また、政教分離規定については、国や地方自治体の宗教的な活動について、「社会的儀礼または習俗的行為の範囲を超えないもの」に限り、容認するとしている。この点については、「首相の靖国神社参拝などを合憲とするため、こうした表現を使っている」(同日付朝日新聞)という。
憲法改正は、1955年の立党以来、自民党の悲願であり、中国や北朝鮮の脅威など激変する世界情勢に、憲法を対応させようという意思は感じる。しかし同時に、物足りなさが残ることも否めない。
2009年に立党した幸福実現党の創立者、大川隆法・幸福の科学総裁は同年6月に、「新・日本国憲法試案」を発表。百三条に及ぶ現憲法は、法律に近いような細かい条文もあり、国民の自由の領域を狭めているとして、十六条にスリム化した。
第二条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
第五条 国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。また、国内の治安は警察がこれにあたる。
第十条 国民には機会の平等と、法律に反しない範囲でのあらゆる自由を保障する。
第十一条 国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない。
以上はその抜粋だが、この試案は、宗教を過度に制約したり、他国の侵略を呼び込むかのような国防体制など、現憲法の問題点を解消。それとともに、日本国民の幸福のみならず、日本が大国として世界の平和や繁栄に対して責任を負うことのできる試案となっている。
自民党の原案も評価ができる点はあるが、やはり、この国が真の意味で世界のリーダーになるには、もう一段、高い視点からの憲法改正が必要だろう。(居)
【参考書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『新・日本国憲法試案』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H0238.html
【関連記事】
2009年8月号記事 大川隆法 新・日本国憲法試案