60歳以上のシニア世代の年間消費支出が、2011年に初めて100兆円を突破、個人消費全体の44%に達している。21日付日経新聞夕刊が報じた。

高齢化もあって、個人消費に占めるシニア世代の割合は年々高まっている。今年は団塊の世代(1947~49年生まれ)が65歳を迎える最初の年に当たり、シニア市場はさらに拡大するとみられる。

こういう記事を見ると、普段マスコミが流す俗説と違って、「高齢者はお金がなくて年金頼みで介護で苦しんでいる」というのはどうも違うようだ。実際は、シニア世代はお金持ちが多く、時間も金もあるから、旅やレジャー、遊びなど消費の主体になっている。

現在のシニアは「年金もらい過ぎ」だと言われている。そればかりか、年金を全然使わない人が半数以上いるともいう。その人たちは、いざという時のために貯めておいて、そのままこの世を去って、子供が相続して、結局は国に相続税をがっぽり持っていかれるという図式になる。

だから公的年金制度など廃止したほうがいいのだ。現在もらっている人たちは、年金国債のような形で、財産として子孫に遺せるようにしたらよい。廃止すれば無駄な仕事をしている公務員を減らせるし、国も余計なお金で無駄遣いしなくても済む。

お金持ちのシニアには、もっと健康になってもらって、どんどん消費してもらえばよい。消費が増えれば景気は良くなるし、雇用も増える。寿命は延び、生涯現役で働く人も増える。「高齢化で未来は暗い」ではなくて、「高齢化でも未来は明るい」という日本にすればよいのだ。

だから、年金や社会保障のための「増税」など不要なのだ。政治家だって元気で長生きしているではないか。(仁)

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2012年1月号記事 人口70億人時代の強国モデル―編集長コラム

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3380