写真フィルムの草分けとして知られる米コダックが経営破綻した。
フィルム事業の売上が落ち込み、デジタルカメラのプリンタ分野でもキャノンやヒューレット・パッカードに後れをとった。
コダックは創業100年を超える老舗企業だが、デジタル化に向けた業態転換ができなかったことが破綻の原因となった。
時代の変化と言えばそれまでだが、うまく対応している企業もある。
日本の富士フィルムだ。富士フィルムも、写真のフィルムメーカーとして知られる企業だが、今ではフィルム事業はグループ全体の売上の15%ほどでしかない。
現在のメインの事業は、印刷や光学デバイス(携帯電話用レンズなど)、コピー機(富士ゼロックスとしての事業)などだ。
コニカミノルタも、写真フィルム事業を本体から分離し、液晶パネル用の光学フィルムに注力して業態転換を図って生き残った。
この20年ほどは世界規模での乱気流の時代だったと言える。変化の激しい経済環境の中で生き残るには、過去の成功体験をいかに捨てるかが重要だ。
『未来創造のマネジメント』(大川隆法著、幸福の科学出版刊)には、以下のような指摘がある。
- 成功体験も古くなります。「かつて、これで成功した」ということを、何度やっても、成功しなくなる時期が来るのです。
- 「進化する企業」以外は生き残れません。淘汰されます。
- (潰れる会社は)企業の"遺伝子"が時代から取り残されており、考え方がもう古くなっているのです。そのため、悲しいことに、新しいものに取って代わられるのです。
- トップは自分で自分の"葬式"を出さなくてはいけません。過去の自分、成功した自分の自己像に"葬式"を出さなくてはいけないし、また、過去に対して、「失敗した」と思って悔やんでいる自分の"葬式"も出さなくてはいけないのです。
日本のフィルムメーカーとコダックとの明暗を分けたのは、まさに「自分の葬式を出せたかどうか」だったと言える。
コダックの破綻は、不況下における経営について重要な教訓を与えてくれる。(村)
【参考書籍】
『未来創造のマネジメント』(大川隆法著、幸福の科学出版刊)