北朝鮮による核開発問題をめぐる米朝協議が24、25日にジュネーブで開催されることが19日固まった。

米国は北朝鮮のウラン濃縮活動の即時停止などを求めているが、それに対して北朝鮮がどう出るかが注目されている。

北朝鮮は、プルトニウム型原爆を既に保有しているとされるが、現在、高濃縮ウラン型原爆を製造しようとしている。

プルトニウム型原爆は2009年5月の2回目の核実験で核爆発能力を向上させた。そのうえで北朝鮮はウラン濃縮を進めており、ウラン型原爆の製造に近づいているとみられる。今のタイミングは、いつ高濃縮ウラン型原爆の核実験を行ってもおかしくない時期だ。

爆縮型ではない砲身型のプルトニウム型原爆は小型化が難しいが、高濃縮ウラン型(爆縮型)は射程1500キロのノドン・ミサイルに搭載可能で、東京や沖縄がターゲットに十分入る。

その意味で、北朝鮮が核ミサイルを持ち、日本や米軍基地を核で脅す能力を持つかどうかというのが今、目の前にある危機だ。

米国と韓国は、北朝鮮の核の脅威を抑止するための「拡大抑止政策委員会」を2010年10月に設置。北朝鮮の核に関する軍事情報を共有し、核抑止政策を検討している。

米国はこれまで日本や韓国のような非核保有国には核に関する情報を提供してこなかったが、オバマ大統領と李明博大統領との個人的信頼関係が深まるなど緊密化が進み、この委員会の設置が決まった。

日本は民主党政権になって米国との関係が悪化したが、韓国のように米国と核抑止について真剣に協議する時期に来ている。(織)