G20会議で、ユーロ危機について話し合われたが、「具体策に乏しい」として、市場は冷淡だった。ギリシャのデフォルト(債務不履行)は避けられそうもない。
24日付朝日新聞によると、市場で想定されるシナリオは三つ。1)ギリシャを支え続け、その先に財政同盟さらには連邦国家に向かう。2)ギリシャが債務不履行になってユーロからも抜ける。3)債務不履行はするがユーロにはとどまる。
1番目は「問題外」。2番目は大規模な取り付け騒ぎが起き、コストが大きすぎる。3番目が最も現実的だという。
しかし3番目の場合であっても、ギリシャに続いてイタリアやスペインの国債に波及するのではないか。そうなればユーロはさらに危機に陥る。
ユーロ以外の国々からすれば、欧州の取り組みがあまりにのろいと不満が爆発している。17カ国が足並みをそろえるのが大変で、各国の意見がバラバラだからだ。こんな状態では、他国からの支援もあてにはできないだろう。
ギリシャが債務不履行となったら、世界経済はどうなるのか。今まで世界をリードしてきたアメリカも、自国の国債がデフォルト間際まで追いつめられた状態では、とても対処できないだろう。
日本はどうか。本来、政治がまともであれば、超円高を背景にして、ユーロ危機を救えるのは日本しかないはずだ。ところが、震災で傷んでいるところに増税で塩を塗ったり、為替介入してムダ金を捨てるようなことばかりして、国力を弱めようとする野田政権では、とてもそんな活躍は望めないだろう。
かくして、世界経済は「2012年危機」に向かっていくのだろうか。(仁)






















