19日のBS11番組の収録で、民主党税制調査会の藤井裕久会長が、民主党内から出ている復興債を日銀引き受ける案に対して「極めて問題のある発想だ」と否定したという。20日付日本経済新聞が報じた。

大蔵省(現・財務省)出身の藤井氏だから、基本的な発想は財務省と一緒だ。日銀引き受けを否定する人たちは、「禁じ手だ。これをやると、際限なく続けることになり、国債発行が増え続け、ハイパーインフレが起きたり、デフォルト(債務不履行)に陥り、日本経済が破綻する」という論法で脅してくる。

しかし、弊誌が何度も指摘してきたように、国の借金(国債)が900兆円あっても、一方で国の資産も600兆円はある。財務省は借金の方しか言わない。しかも国債を買っている95%は国民であり、外国に借金しているわけではない。むしろ日本は世界一の債権大国、つまり外国にお金を貸しているのだ。

だから、日本国債をさらに増発することによってデフォルトになる心配はないし、日銀が引き受けてお金を刷り、それを復興財源にあてることは、国民にとってもありがたいし、景気浮揚にもなる。

震災復興の財源を、増税で賄いたいのは、財務省にとって「国民からの借金」は都合が悪く、「国民からの税金」を巻き上げて自由に使いたいからだ。彼らに自由に使わせたら、ろくなことにならないのは公的年金などで実証済みだ。

私たち国民は、財務省の論理にだまされず、「国民の立場」に立って言ってくれる政治家や知識人の声に耳を傾けるべきだろう。(仁)