現行の子ども手当が9月で期限切れとなるため、民主、自民、公明3党は4日、2012年度から子ども手当を廃止し、児童手当を復活させることで正式合意した。

子ども手当を延長した「つなぎ法案」の期限が切れる今年10月から来年3月までの半年間は、特別措置法案で子ども手当を継続させるが、支給額は現行の一律月1万3000円から、3歳未満と第3子以降(3~12歳)に月1万5000円、3~12歳と中学生に月1万円となる。

12年度以降については、特措法案の付則にこう記されている。

「12年度以降の子どものための現金給付は、児童手当法に所要の改正を行うことを基本とする。所得制限は12年6月分以降から適用し、所得制限の基準、所得制限を超える者に対する必要な税制上・財政上の措置について検討し、所要の措置を講ずる」

つまり、12年度から児童手当に移行し、所得制限を設けるということだ。

なお、来年6月から導入される所得制限は「夫婦と児童2人世帯で税引き前年収960万円以上」を基準とする。支給額を減額するか、ゼロにしたうえで税制上の還付を行うかなどの具体策の検討は秋の臨時国会で協議する見通しだ。

子ども手当は民主党の目玉政策の一つであり、09年の民主党政権発足後の2010年度から導入されたが、わずか2年間の実施をもって廃止されることとなった。いかに民主党政権に政権担当能力がないか、見事に表している。また、子ども手当の見直しは、野党が首相の退陣条件の一つである「特例公債法案」の成立に協力する条件であり、今後は特例公債法案に焦点が移る。(吉)