8月31日の期限を前に、来春から使われる教科書の採択において、保守と左翼の攻防戦が各地でヒートアップしている。

沖縄県八重山地区では、選定作業に当たる教科書用図書八重山採択地区協議会会長の玉津博克教育長が、同協議会の構成を一部入れ替えたり、採択方法を変えるなどの改革を始めた。20日付の八重山日報が報じた。

玉津教育長は、同協議会の委員から3市長の担当課長や担当職員を除外し、新たに3市長の教育委員各1人と学識経験者1人を加えた。これまで選定作業には、教科ごとに選ばれた3人の教員が調査員として、各社の教科書を調査して順位付けして、同協議会に報告していた。玉津教育長は、この順位付けのまま協議会が教科書を選定してきたことが問題だったとして、協議会の委員でじっくり検討して選定する方針を示した。

これとは逆の動きもある。19日、石垣市、竹富町の歴代教育長ら10人を共同代表とする「子どもと教科書を考える八重山地区住民の会」が、町の教育委員会に対して、来年度の中学校教科書に自由社版と育鵬社版の2社を採択しないよう要請した。自由社と育鵬社はどちらも保守系の教科書だ。

また、大阪では、橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」の大阪市議団が、市教委に育鵬社と自由社を採択するように求めるという。

神奈川県では15日、教科用図書選定審議会が、県立平塚中等教育学校の歴史教科書に育鵬社の教科書使用を承認した。近く県教委が採択を行う。一方、同県小田原市では、在日大韓民国民団湖西支部が育鵬社と自由社を採択しないよう求める陳情を提出。市議会はこの陳情を賛成多数で採択した。

自国の歴史に誇りや自信を持つことは国際社会を生きていくなかで大きく影響する。自虐史観の教育を受けた子供たちが大人になれば、第二の村山富市や河野洋平、菅直人を生み出しかねない。「ローマの繁栄は、ローマ人がローマを愛したから」であり、日本が今後繁栄するには、愛国心を養う教育が必要であり、正しい歴史認識ができる教科書を選ぶべきだろう。(吉)

☆本誌9月号では、「世界に誇る奇跡の日本史」を大特集します。お楽しみに。