女子サッカーの日本代表「なでしこジャパン」が女子ワールドカップの初優勝に王手をかけた。14日未明の準決勝は強豪スウェーデンに3-1で逆転勝利。パスミスから先制されたが、川澄、沢の泥臭い得点で逆転。最後は再び川澄が約35メートルのループシュートを決めた。

なでしこジャパンの活躍は各国メディアが「ダークホースの勝利」「予想外の決勝戦へ」などと驚きをもって伝えている。しかしこのチームの強さは本物だ。

11人全員で前線からプレスをかけ、スウェーデン戦ではシュート4本に押さえ込んだ守備の堅さ。「女バルサ(スペインの名門バルセロナ)」とも呼ばれる正確で速いパスワーク。先制されても逆転できる冷静な試合運び。控えだった選手が先発すると決まって活躍する選手層の厚さ。

決勝はFIFAランキング1位で、過去W杯優勝2回の最強国アメリカ。なでしこは今年5月にアメリカ遠征を行い、アメリカ代表と2戦し、ともに0-2で敗れた。過去の対戦では一度も勝ったことがなく、21敗3分け。

ただ、希望は、佐々木則夫監督や選手たちが「W杯で世界一になる」という目標を早くから掲げ、そのための準備を積み重ねてきたということだ。だからW杯直前の遠征でアメリカを選び、アメリカに本番で勝つシミュレーションをやってきた。佐々木監督はアメリカに敗れた試合の後、「横に揺さぶりながら展開していけば得点できる」と総括した。

全員プレスでボールを奪い、体の大きいアメリカ選手をサイド攻撃で揺さぶって得点する。それが日本の勝ち筋だ。決戦は18日未明。日本がW杯で優勝する瞬間をぜひ見てみたい。(織)